「第三者」による客観的な評価

パネルトーク2

■パネルトーク02

UCDAアワード 選考結果報告会 パネル 写真3八杉:消費者協会の萩原さん、生活者視点ということでいかがでしょうか。
萩原:私は製品を受け取る側の立場で考えていきたいと思っています。テクニック的な問題や保険としての問 題はあると思いますが、消費者にとってはあまり関係がありません。手元に入ったときにそれが何であるか、それが自分にとって何をもたらしてくれるかという 結果しか興味がないのです。正直、私もそうですが、総合通知といってそれが何であるか認識している人はいるでしょうか。
総合通知も約款も重要事項説明書も、読まなくてはいけないということはわかっていても、何を読めばいいのか説明がないのではないかと思います。ものづくりはプロの方々にお願いするわけですが、私たち消費者は結果としてしか評価できません。
そういう意味でも、プロの方々が評価するということが遡上にのるのは非常に意義があることだと思います。中身については分からないことが多いので触れませ んが、作る側の方々は、受け取る側は何も分からないということを前提にものづくりをしていただけたらと思います。
佐々:私もそう思います。今、人間中心設計というものを研究しているのですが、まさにユーザー中心の情報の伝達に おいてはそのことが重要だと言われています。 今回の帳票につきましても、通知物が届き、それがどのように閲覧されるかを想像できた保険会社様が、高いレベルに行っていると感じました。実際、この総合 通知が届いて、すぐに開ける人はいないと思います。ポンと封筒のままで放置する場合もあると思います。そうなると封筒に年度が書いてないといつの通知物だ かわからなくなってしまう。
萩原:デザインからは離れますが、今回のアワードでは控除証明が入っているものは約半分でした。例えば開くか開か ないかを考えたとき、今年の保険料控除が幾らかが書いてあれば間違いなく開くと思うのです。入っていないものが半分ぐらいあったということは、開いてもら うということについて、果たして保険会社さんは私のようなレベルの人間の立場でものを考えていただいているのかな、と疑問に思いました。
もちろん控除証明の配布の時期という問題がありますので、一概に言えないことだとは思いますが。消費者の立場で言えば、控除額は非常に関心があることなの で、私は控除証明入っているというだけで開くと思います。そういう細かい心配りというものが必要なのではないかと感じました。
八杉:いまの控除証明については、システムなど送り手側の都合というものもありますし、時期の問題もあります。それも含めて情報の中身についてはいかがでしょうか。
UCDAアワード 選考結果報告会 パネル 写真4前場:あ る保険会社さんは去年から総合通知に控除証明を入れるのをやめました。理由は、確定申告までの期間が長すぎてなくしてしまうという声があったからです。5 月頃に届いたものを取って置くより、確定申告の少し前に届いた方がいいという声がかなり多かったからなのです。ちなみに、その保険会社は今年から控除証明 の配布時期が変わったということを、総合通知の封筒の表にも裏にも別送する旨をきちんと表記していました。
なぜでこうしたか、その「なぜ」の伝え方が重要であると思います。入院給付金についてもそうです。一定期間が過ぎないと支払われないという情報も、保険に 入るときに説明されてはいるものの忘れていることが多いし、帳票の中でも図表で示されてはいても見にくかったりしますが、こうしたネガティブな情報を上手 く伝えるということも重要だと思います。
UCDAアワード 選考結果報告会 パネル 写真5佐々:確かにそうですね。今解約したらいくら解約返戻金が戻ってくるのかという最もネガティブな情報も出している生命保険会社さんがいらっしゃったことには驚きました。
八杉:今回のアワードでは、商品やお客様、販売のチャネルがそれぞれ違う業態の通知物を一律に評価してどういう意味があるのかというご意見もいただきました。その点については私どももいろいろ議論をしてきましたが、小池さん、いかがでしょうか。
小池:さっきも申し上げたように、多種多様のものを順位付けする際には、情報の送り手側ではなく受け手の論理が如何に反映されてくるかという点において客観視することが大切だと思います。
今回の評価では「何をしたらいいのか」というタスクとして盛り込まれていた「情報の目的と導線と要求する行動」という三点が非常に大事だと思いました。多 くのお客様が、保険会社から何かが届いたよ、としか思っていません。「何か」なんですね。控除証明書は目的が明確化されていますからいいのですが、それ以 外のもの、例えば契約期間が長い生命保険では特約の更新通知のようなものも必要です。今お入りになっている保険はこういうもので、万が一のことがあったら 保険金請求ができますよ、ということもあります。被保険者になっている方のお名前が変わっているということもあります。
いろいろな情報が一緒に盛り込まれていますので、情報の整理がきちんと行われていないと明確でなくなり、契約者は「保険会社は何を考えているのか」「また 保険の切り替えの案内なのか」と思ってしまいます。私が相談を受けるほとんどの方がが、せっかくの保険会社からの案内を、保険会社からの転換を進めるお知 らせだと思っているのではないかと思います。

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