「第三者」による客観的な評価

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01:澤田 泰廣-2

●生活者がデザインに求めるもの

写真福田:ま だ若かりし頃、私は事務の合理化を目指して伝票類の改善を手掛けたことがあります。その時、デザインがいかに大事かを痛感しました。というのも、それまで の帳票は必要な項目だけ入れておけば事足りるというイメージがあったからです。しかし、情報をより正確に早く伝えるためには「情報の器」となる伝票を効率 の良いコミュニケーションツールにしなければならない。そう考えた私は自分なりに帳票のJISのようなものを設定し、線の太さに至るまでこだわってたくさ んの伝票類を整理しました。お話を伺っていて、ふとそんなことを思い出しました。
澤田:福田理事長のなされたことは、まさにアートディレクターの仕事ですね。
福田:澤田さんがおっしゃるグラフィックデザインの変化にはそのような方向性も含まれるように思ったのですが。
写真澤田:そ うですね。しかし、グラフィックデザイン自体の理念は今も昔も普遍なんです。ただ周りからのデザインに対して求められるプライオリティが変化したというこ とではないでしょうか。例えば、表現の独創力によって人々の心を鷲掴みにするデザインが強く要望された時代もあったわけで、当時は色々と実験的なことがか なり許容されていたんですね。テレビコマーシャルを見ても、新聞や雑誌を見ても…。駅などは挑戦的な表現を試みたポスターで、さながら美術館のようで した。それが、経済問題も含め、抑制され、シビアさが何事にも求められるようになると、打ち上げ花火のようなエンターテインメントを追求するというより、 もっと人間の細部に行き届く情報の機能性をより重視する環境が生まれたんです。「どちらが正しいか」という話ではなく、価値観が変わってきたということで はないでしょうか。
福田:生活者、つまり受け手側が変化したということでしょうか。
澤田:そういう言い方もできると思います。もはや受け手側が発信された情報を素直に受け入れるだけの時代 ではないのかも知れません。「おかしいんじゃないか」とか「間違っている」とか、情報の送り手に対し、積極的に発言するようになりました。良い意味で意見 の交換が出来るようになったんですね。
福田:一方通行ではない、双方向のコミュニケーションになってきたということですね。

保護中: UCDAトーク

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