「第三者」による客観的な評価

MENU

02:元原 利文(前篇)

UCDAトーク02:元原 利文(前篇) 法律の現在から「わかりやすさ」の意義を読み解く

●法律がわかりにくくなった理由

写真 — 社会の基盤ルールである法律は私たちが日々安心・安全に過ごすために不可欠なものです。とはいうものの、どうにも難しくて理解しがたいというのが、我々一般人の正直な気持ちでしょう。本日は法律をテーマに「わかりやすさ」のあり方をお話しいただきたいと思います。
福田:
我々一般の生活者は日頃は法とは無縁だし、ほとんど無関心なものです。ところがいざという段には法律は出てくるもので、これがまた非常に難しいという印象を持っています。専門家の先生から見ても、法律というのはやはり難しいものなのでしょうか。
元原:確かに、法律は難しいと遠ざけられてしまっています。ただ歴史的に見ると、そうなるのもやむを得ないのがわかります。
ご存じのように日本は江戸時代には封建制度の国家で、江戸幕府による統治の世界でした。そういう時代の法律は庶民のためのものではなく、統治のための手 段なんですね。ですから、法律を詳しく庶民に理解してもらう必要はなかったのです。ところが、明治維新になり、がらりと制度が変わりました。国民の意思を 吸い上げないと近代国家はつくれないことがわかりました。そこで西洋の法律を継受(けいじゅ)、つまり法律の字面だけでなくローマ時代からの歴史ある思想 まで一緒に引き継ぐことにしたのです。
写真  しかし、突然導入したからといって、西欧の思想や、それに基づく統治システムは日本にはなじみがない。しかも、法律の条文はすべて外国語ですから、それを 翻訳しなければなりません。では、誰が翻訳するのか。当時は旧武家階級の学問は漢文でしたから、当然、漢学の素養がある者がやることになる。やんわりとし た大和言葉ではなく、難しい言葉の漢語に無理やり翻訳したわけです。そうして、最初の日本の法律ができました。古い法律は漢語が多く出てきてカタカナ混じ り、しかも句読点なしの文章です。いったい「どこの国の文章だろう」と思うようなものです。それがずうっと尾を引いているわけですから、そんな法律を読ん でもほとんどがわからない。わかるのは為政者である政府のお役人と、法律を運用する裁判官くらいなものだったのです。
福田:なるほど。

保護中: UCDAトーク

  • Hatena
  • Google+
  • facebook
  • twitter
ページトップ