「第三者」による客観的な評価

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03:永井 順國(前篇)-4

●学力を生かせる「言語力」を

写真福田:そういうことも含め、これからの教育というのはどう変わっていくべきだとお考えでしょうか。
永井:実は、再来年から改定学習指導要領に切り替わります。その中で興味深い方向性として、「教科学力の体系化だけでは本物の力になりえない」という発想があります。教科学力、つまり各教科の知識・技能だけではなく、それを活用する力がないと意味がないという考え方です。習得すべき学力と、活用する能力がともに体系化され、一体化するところに本来の学力観が構築されるべきとし、それを結ぶブリッジとして言語 力を重視したものです。そこで「全ての教科で言語教育を行う」としています。理科の実験を通じてコミュニケーションを学ぶ。算数や数学ではどう答えが導き出されるかを人に理解させるという場面を取り入れる、社会科では小論文を書く。これで少し変わってくるだろうと期待しています。
本来、「国語」とは「日本語」の時間であり、「言語能力=Language Arts」を学ぶ場です。主語と述語の関係など、論理学、弁証法などの視点 から言語技術を学ばないといけません。イギリスでもアメリカでも母国語の時間は言語能力を学ぶ時間としています。言語教育を変えていけば、かなり日本人全 体の言語能力は変わっていくのではないでしょうか。
福田:コミュニケーションは教育でも大きな課題になってきましたね。
写真永井:それこそ我々大人たちが真剣に考えなければならない課題だと僕は思っています。一言も口をきかなくても必要なものが手に入る時代になったことは、特に子ども たちにとって良くありません。今はスーパーやコンビニ、自動販売機で、ジュースも切符もなんでも手に入る時代です。昔のように母親におつかいに行かされて口上を述べることもなければ、貸本屋や駄菓子屋でやりとりすることもない。だから語彙が減ってますますやりとりがうまくいかなくなって、最後はキレる。
福田:まずは言語の力がないとどうにもならない。
永井:やりとりのないコミュニティで育っている子どもたちに、「コミュニケーション能力を」と理屈をいったところでな にも始まりません。まずは子どもたちを育むコミュニティをどう再構築していくか。そこでコミュニケーションをどう培っていくか。それは大人社会全体の責任 であり、我々はまさにそこに直面しているのだと思います。

UCDAトーク03:永井 順國(後篇)へ続く

保護中: UCDAトーク

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