「第三者」による客観的な評価

03:永井 順國(後篇)

UCDAトーク03:永井 順國(後篇) 今、言語の力がコミュニケーションを救う

●新聞に学ぶ「わかりやすい文章」

写真  ― 前半では教育の視点からコミュニケーションについて語り合っていただきました。後半では、言語という視点から「わかりやすさ、伝わりやすさ」についてお話しいただきたいと思います。
福田:日頃から見ていて感じるのは、新聞というものは誰にでもわかりやすくできているということです。ど んなに難しい内容も、新聞で読むと比較的理解しやすくなっている。恐らく、読みやすくするためにいろいろな工夫をなさっているのだと思いますが、わかりや すい文章のポイントというのは実際にあるのでしょうか。
永井:読売新聞では入社すると必ず最初に「中学生にも分かる文章」という言葉を頭の中に叩き込まれます。そして、皆が『読売新聞 用字用語の手引』※1を 1冊ずつ机の上に常備しています。実はこれは大変便利なもので、記事のスタイルから常用漢字や仮名遣いなど、いろいろなデータが掲載されています。「文章 を書くときの基本」という項には、わかりやすくするにはどうしたらいいかが書かれています。たとえば、主語・述語が一組の文章がいちばんわかりやすい、専 門語やお役所言葉は言い換えろ、カタカナ語を減らせ、略語を乱用しない、カッコの多用は避けるなど。この手引書を常に傍らに置きながら書いているうちに、 だんだんと自分の血肉と化してわかりやすい文章が書けるようになっていくわけです。とはいえ、「中学生にわかる文章」というのは、実際にはなかなか難しい のですが。
福田:本文もさることながら、見出しも本当にわかりやすい。見出しだけで内容がわかってしまいますよね。
写真永井:新 聞記事というのは実に合理的にできています。記事には必ず冒頭の「前文」で、どういう事情でどうなったと簡潔に展開している部分があって、あとはどこでど う切ってもいいようになっています。たとえば、突然大事故が起こったために紙面が差し替えになるような場合、前文だけを小さいスペースに掲載します。
福田:なるほど。最初に結論が凝縮されているわけですね。確かに、読む方にとっても最初に結論があれば楽ですね。時間があればじっくり読めばいいし、忙しければ文頭だけ、さらに余裕がなければ見出しだけ読めばおおよそはわかる。

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