「第三者」による客観的な評価

05:矢口 博之

UCDAトーク05:人の行動から見出す、デザインの定石

――わかりやすさを人間工学的に捉えるとどうなるか、逆にわかりやすさは理論的に分析できるものなのか。今回は、そのあたりに迫ってみたいと思います。
福田:まず初めに、人間工学とはどういうものなのでしょうか。
写真矢口:人 間工学という学問自体はけっこう古いのです。元々は戦時中に飛行機の性能を上げようとか、事故を減らそうとか、あるいは工場の能率を上げようというところ から始まりましたが、その後、人間中心で物を考えるようになると「働きやすい、暮らしやすい」が目的となりました。また、当初は「ミスなく動かせる」「使 う側にとって使いやすい」「安全に動かせる」など、安心・安全な社会を目指すことが目標でしたが、それがだいぶ達成できた最近では、「快適」「楽しい」と いった方向にも研究が進んできています。
福田:始まった頃からすると、物的にも心理的にも「やさしさ」の幅へと広がってきたようですね。
矢口:そうですね。だんだんと肉体的なものから精神的なものへと進化して、感性的な使いやすさにまで進歩してきている学問と考えればいいと思います。
福田:その発展には、コンピュータが大きく寄与していますね。
矢口:コンピュータのおかげでたくさんいいことがありました。いろいろな情報が簡単に手に入る、データの 処理が簡単になったなど、昔はプロに頼まなければ処理できなかったことの多くがオフィスで簡単にできるようになりました。特にインターネットが出てきてか らは、ものの考え方やデータの処理の仕方、感性などいろいろな面でだいぶ変わってきました。携帯電話もコンピュータの進化があるからこそのものですし、遊 び方だって変わりましたよね。生活から仕事から、何から何まで全部コンピュータが変えてしまったという感があります。
福田:30年以上前にはコンピュータといえば「神様」でしたから、人は皆それに従えという発想だったことを覚えています。それが今は人間らしさを中心に考えていこうと変ってきているように思います。

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