「第三者」による客観的な評価

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05:矢口 博之-3

●デザインの定石を探す「フォームアナリスト」

写真福田:そのテクノロジーの先端の部分に位置する電子書籍が先生のメインの研究テーマですね。「電子と紙のテキストメディアに関する研究」だったと思いますが。
矢口:そうです。最初は電子書籍の読みやすさについて研究を始めたのですが、研究に取り組むうちに、紙メ ディアの完成度の高さに改めて気付くことになりました。例えば紙の本なら、今どのあたりを読んでいて、あとどのくらい残っているのかが一目でわかります が、電子書籍では相対的な位置しかわかりません。資料を渡すときも紙なら気にせずサッと渡せますが、USBのようなコンピュータのメディアを渡すにはまだ ちょっと躊躇しますよね。数千年前のパピルスは現在でも読むことができるのに対し、ほんの少し昔のフロッピーディスクでも今となってはどこに行ったら読め るのかといった状態です。紙はコストも安いし使いやすい。しかも埋めれば土に還り、持ち歩きにも便利で軽くてしなやかです。そうした数々の使いやすさも含 め、メディアとしてのコンピュータは紙メディアの持つ優れた特性を踏まえて開発していかない限り、紙を超えることはたぶんできないと思うんです。
福田:そうした研究の流れの延長線上で、UCDAとの共同研究もあるのでしょうか。
写真矢口:は い。使いやすいデザインの定石となるデータを集める道具をつくろうという研究で、「フォームアナリスト」と呼んでいますが、編集デザインの特性を数値化す るためのツールの開発です。これは、帳票などの編集デザインにも囲碁と同じように定石があるのではないかと考え、それを技術者の立場から読み取ろうという 試みです。最初はいろいろなところを定規で測ることから始めました。しかし、それでは不便だということでコンピュータを使って紙面からデザインの特性デー タを取り出してくる仕組みをつくろうとしたのがきっかけです。
福田:使いやすさや、やさしさの数値化、ルール化は可能なのでしょうか。
矢口:可能だと考えています。特に人間の行動を測ることによってわかってくるのではないかと考え、今回の研究では人間の行動観察「アイトラッキング」も合わせた形で進めています。

保護中: UCDAトーク

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