「第三者」による客観的な評価

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09:尾崎 護-2

●国のアイデンティティは公文書に

写真福田:税の他にも、尾崎さんはいろいろな取り組みをなさっていますね。たとえば国と国民とのコミュニケーションという問題はいかがですか?
尾崎:問題のひとつには、官庁文書があると思います。
福田:官庁文書というと、どうも読みにくい印象を受けます。
尾崎:読みにくいものの代表です。官庁文書を読みやすくするのは非常に意味のあることです。実はここ数年 来、公文書管理という問題が議論されています。福田総理の時代にできた有識者懇談会で私が座長を務めさせていただき、日本の公文書管理をなんとかしようと 議論を続けてきました。
日本には発行された本を一堂に集めた国会図書館はありますが、公文書についてはかなりおろそかにしていると言っていい。その風潮が官僚に伝わって、各省庁の保管がずさんになり、ひいては公文書の作り方もずさんになっている。これは大問題です。
福田:どんな問題があるのでしょう?
尾崎:たとえばアメリカの公文書館には、3つの文書が飾られています。「独立宣言」と「合衆国憲法」、そして人権規定 を定めた「権利章典」。独立戦争を戦って独立宣言を行い、憲法を持ち、人権を宣言した3つの国家意識の象徴です。この3つの文書が彼らアメリカ人のアイデ ンティティとなっています。修学旅行では子どもたちがそれを見て説明を受け、アメリカ人としての結びつきを強く感じるわけです。
福田:公文書が国の精神的な礎となっているわけですね。
写真尾崎:そうです。公文書はこのように非常に重要な役割を担っているのです。職員も1500人を擁し、あらゆる書類が揃えられています。日本の占領時代を研究する学者も皆、アメリカまで行って研究をしてるほどです。
福田:日本のことを研究するのにアメリカへ行くんですか? しかし日本にも終戦時の天皇の詔勅などが保管されていますよね。
尾崎:アメリカのほうが日本よりもはるかに文書が充実しているのです。日本の公文書館には職員が42人しかいませんし。
最近はようやく日本でも時々公開されるようになり、インターネットでの公開も始まりました。アジア関係の文書などは世界中からアクセスできるので、戦時中 の日本軍の行為などについて海外の意識が是正されるようになりました。一部で喧伝されるようなひどいことばかりしていたわけではないとする海外の学者も現 れ、日本に対する理解がだいぶ深まってきています。

保護中: UCDAトーク

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