「第三者」による客観的な評価

10:武者 廣平-2

●色にも使いやすさの基準を

写真福田:ユニバーサルデザインにもグッドデザイン賞のような評価の場はあるんですか?
武者:4年ぐらい前まではグッドデザイン賞の中にユニバーサルデザイン部門がありましたが、今は特にあり ません。どちらかといえばユニバーサルデザインが日本にしっかり根付いて来たので、特に部門として別設定する必要性がなくなったとの考え方だと思います が、世界的視野に立てば未だ発展途上だと考えていますので残念に思っています。
福田:なるほど。社会環境が製品を売るためのデザインから使う人の視点を持ったデザインに変わってきていると言えるのかもしれませんね。ところで先生が推進している色彩におけるユニバーサルデザインというのは?
武者:カラーにはいろいろな使い方があります。たとえば建物では空間のバランスを演出したり構成要素の位 置を明確化するにも用います。プロダクトデザインでは、店頭の棚でのお客様への商品喚起、他社商品との差別化や、カラートレンドを利用して新商品のイメー ジを高めたりと、誘目性向上のために使います。
さらにもうひとつ、注意書きの赤色などのように注意を喚起するなどを目的としてカラーを使う場合があります。一般色覚者には赤系統に強く反応するという特 性があるので、赤で表示すると「ここは注意しなければいけないことだ」と経験値で分かるため、注意色に使われているのです。ところが色覚特性がある人は赤 を赤と認識できないため、注意表示をスルーしてしまう可能性があります。
CUDOで取り組んでいるのは、ここの部分の改善です。さまざまな色覚の人が共存する社会では、色覚特性を持つ方たちのためのスタンスも持っておかないと片手落ちになってしまいますからね。
写真福田:赤や緑の見え方が違うなど、色覚特性を持った方は実際にどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
武者:日本人の場合は特に男性に多く、全日本人男性の5%程度の方に色覚特性があるとされています。
福田:ということは20人に一人? かなりの比率ですね。

武者:そうなんです。とはいえ色弱者への対応ばかりを考えてしまうと、人口比率的にはずっと多い一般色覚の人 にとってはもの足りない情報として感じられる可能性もあります。ですからそのためにこそ我々の提唱するカラーユニバーサルデザインが必要となるわけです。 例えば商品のパッケージの場合、店頭でアイキャッチする表面ではあまり色覚特性を意識しなくてもいいと思います。しかし、注意事項などが記載されている裏 面表示は皆がわかり理解できるようにしなければなりません。

保護中: UCDAトーク

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