「第三者」による客観的な評価

11:孔令文

UCDAトーク11:孔令文 基盤から見えてくるコミュニケーションのあり方

必要なのは「読む力」

——本日は、孔令文さんに、囲碁におけるコミュニケーションについてお話を伺いたいと思います。
福田:まずは、ご両親のことや囲碁の世界に入ったきっかけなどをお聞かせください。
写真:父と母は中国で一時代を築いたプロ棋士でした。文化大革命後に初めてのプロ棋士となった人です。私が日本へ来たのは10歳のときです。16歳で日本のプロになり、いまは六段です。
福田:孔先生はサラブレッドですね。
:それだけの活躍ができていませんが(笑)。
福田:中国と日本の囲碁の違いはどこにあるのでしょうか。
:日本は日本棋院が組織を作っていますが、中国では国が組織を作っています。競争が激しく、プロになる プログラムをすごい速さでこなさなければなりません。そのため、天才が次々と現れています。昔はトップクラスへ上るにはキャリアが必要でしたが、いまは若 い人でも可能です。勉強方法も変わってきましたが、囲碁の打ち方自体も変わってきていると思います。それに、中国の棋士は社会的地位が高いため、目指す人 も多いのです。
福田:中国が強くなった理由は何ですか。
:環境が一番大きいと思います。国の理解度とバックアップが違います。中国では、歴代の国家主席が皆囲 碁を重んじていました。日本のプロは歴史に棋譜を残すことを目指していますが、中国では勝負にこだわります。国の英才教育を受けた者でも、ほんの一握りし か生き残れません。だから競争が激しくなり、強くなったのだと思います。
写真福田:日本は芸をみがくために努力し、中国は勝負に勝つために努力をする。当然、その厳しさに差が出てきますね。中国の囲碁の勉強方法はどのようなものですか。
:子どものころに囲碁教室に行って勉強するのは、日本と同じです。子どもは1年ぐらい勉強すればアマ初 段レベルになります。そこからは「読む力」です。どこまで自分の打つ手や相手の打つ手を読むことができるかを、中国では子どものころから徹底的に習うので す。強くなるための答えはこの「読む力」にあるのではないでしょうか。
福田:中国は囲碁を学ぶ環境もできている、訓練も合理的。日本は広さも深さも足りないような気がしますね。

:ほかのスポーツや芸能でも言えることですが、競争が激しいと有能な人が残ります。この競争社会が今の日本 に必要だと思います。先のアジア大会で囲碁がスポーツ競技として採用されたように、世界では、囲碁はスポーツとして分類されています。囲碁が文化である日 本にとっても、この挑戦は良い変化をもたらしてくれるものと信じています。

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