「第三者」による客観的な評価

12:杉山 恒太郎(後篇)

UCDAトーク12:杉山 恒太郎 メディアや時代の変化とコミュニケーション(後篇)

●一方的な上から目線では伝わらない

——前回は、具体的な広告作品などから、広告とコミュニケーションのお話に発展しました。今回は、さらに話を深めていきたいと思います。

福田:双方向コミュニケーションが進んでいますが、ハード面の変化が広告のコミュニケーションにどのように影響していくのでしょうか。
写真杉山:こ れまで情報はマスメディアを中心とした限られた人たちが送り手として、生活者に対して一方通行で発信していました。ところが、インターネットによって生活 者が同じように発信力を手に入れたので、生活者をビジネスのパートナーとして捉えていかないといけない。一般に広告の世界でコンシューマーを「消費者」と いいますが、かなり偏見がある言葉ですよね。刺激を与えれば消費してくれる対象という。でも、それは、マスメディアが隆盛をきわめた一方通行の時代の言 葉。企業の商品や提供するサービスに共感し、ぜひ使いたいと思えば、生活者は消費者になってくれるけど、最初から「消費者」というのは、まるで釣り堀に竿 を垂らせば食いついてくる、というようなもの。
福田:広告を送る側と受ける側との立場が平等になってきたんですね。
杉山:水平になった。受け手はいつでも送り手になるし、送り手はいつのまにか受け手になる。
写真福田:それだけ受け手の視点に立つウエイトが高くなる。
杉山:受け手の目線で考えずに従来の送り手のつもりでいると、いつのまにか実際の生活者から乖離しちゃう。
福田:印刷業界では、一種類の版でたくさんの部数を印刷していたのが、デジタル化によって、1人ひとりを狙い撃つ パーソナライズされた印刷をするようになるとともに、世界がターゲットになっていく。余談ですが、碁会所で相手がみつからないと、ネットで世界の人を相手 に対局する。いつも顔見知りのおっさんばかり相手にしていたのに(笑)。
杉山:すごいことですよね。目の前の視野が突然、世界中のすみずみまで広がるという。囲碁といえば、デジタル化の 黎明期を手がけたとき、デジタルの概念の説明を囲碁にたとえました。デジタルは「0101」の組み合わせですよね。囲碁も黒と白の碁石1個1個には意味が ないけれど、かたちによって意味が出てきますから。あ、広告に話を戻しましょうか(笑)。

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