「第三者」による客観的な評価

16:白土謙二-2

●餅をつないで団子にする

福田:最初はプロダクトデザインに始まり、それを売るマーケティングに、今度はビジネスそのもののデザインへ……デザインの意味が広がってきたわけですよね。
白土:お得意様に「御社そのものと社会とのあり方をデザインしたい」と言うとき、経営コンサルタントといっても私どもはMBAを持っているわけでもないので、「じゃあ、どうするんですか」と問われたら、写真「実 はそれを動かすのにコミュニケーションが大切なんです」と、コミュニケーションデザインに立ち戻るんですね。でも、それは広告ではなく、あらゆるかたちの コミュニケーションなんです。たとえば、社内のコミュニケーション。縦割りのために社内で情報が伝わらないとか、いい技術があっても事業化する立場の方が 知らないというケースです。あるいはお客様の真のニーズを知らないということも考えられます。さまざまな壁が社内にあり、お客様と会社の間にもある。そう いった壁を一つひとつ壊していくんです。広報活動や社内報、イントラネットなどツールはいろいろありますが、コミュニケーション不足で新しいパワーが生ま れにくくなっている環境の改善を提案させていただくことが、最近は多いですね。
福田:経営そのものを請け負うような仕事になってきたんでしょうか。
白土:品質がいま一つの商品でも、素敵なパッケージを作って素晴らしいコピーで広告して売ることはできま す。でも、一度は買っていただいても中身が良くなければ二度と手にとっていただけないし、会社の信用も傷ついてしまう。やはり商品そのものが良くないとい けない。私は「餅は餅屋」と言うんですけど、開発担当者は商品開発に努力し、営業の方は一生懸命売って、それぞれ頑張っているけれど、なかなかそれが串で つながった団子にならない。一つにつなげて付加価値を生まないといけないんです。それぞれ専門領域が難しく深くなっているからこそ、どうしたら全体を束ね て成果を生み出せるんだろうと、企業も悩んでおられる。だからこそ、社内をコンパクトに融合できるようなチームづくりを模索されているのではないでしょう か。
写真福田:より積極的に提案し、提案する範囲も幅広くなってきたということでしょうね。
白土:たとえば、技術者が物を作ることから始めるという発想ではなくて、どんなお客様が使うのかを想定した物づくりと いう逆の決め方もある。自動車でいえば、新技術や流行のデザインを追うのではなく、どんな人が乗るかを決めてしまえば、何人乗りかとか車の大きさ、色、 形、トランクの大きさなど、要素が決まってくるはずですね。私どもは車を作るのではなく、作り方を提案する。必要に応じてこれまで企業が当たり前と思って きた方法を変えるアイデアを提供するんです。
福田:今までの常識を変え、逆発想で考えることですね。特に生活者の視点から着想することが、新しいアイデアに直結します。
白土:高級品はA社で普及品はB社、というような同業種のライバル同士の連動もありえると思います。欧米では、たとえ ばトヨタを担当する会社はホンダの担当はしないというように、広告会社は一業種一社制なんですが、日本では一業種多社制なので、「あの会社と組んでみた い」と、ライバル同士が組むという選択肢が生まれる可能性も十分あると思うんです。

保護中: UCDAトーク

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