「第三者」による客観的な評価

21:金巻龍一-3

●わかりやすさは「ホスピタリティ」

福田:これからの企業経営におけるコミュニケーションのあり方をどうお考えですか。
金巻:これまでは「伝える」ことが重要だったと思います。あるいは、後々の問題になったときのために「書いてお く」というものでしょうか。しかしこれからは、ただ一方的に伝えておいて「覚えてない方が悪い」とか「読まなかった方が悪い」というわけにはいかなくなる と思います。つまり「わかってもらわなければ意味がない」わけです。その伝え方は、単純に丁寧にすればいいというわけでなく、子供やお年寄り、結論を急ぐ 人と背景を大切にする人、忙しい人とそうでない人では、まったく伝え方も変わってきます。そしてそれに加えてグローバル化です。言葉のみならず文化の異な る海外の国の方々にとっては、何をもって「わかる」ようになるかが全く違いますよね。つまり「わかりやすさ」は絶対的なものではなく相対的なものだととら えコミュニケーションを実践することがより重要になってくると考えています。
福田:まさに「伝える」ということにおいて、ダイバーシティを意識しなければならないわけですね。社内の人間だけでなく外部の人間とか、ハンディキャップをもった方、高齢者など、いろいろな人に伝わる、わかりやすいコミュニケーションに変えていかなければいけませんね。
福田:私は、機械音痴なので(笑)、便利そうだと思って買ってきても、取扱説明書がわかりにくいため、結局、使わないままになっているものが多い。取扱説明書は、消費者からのクレームが増えるほど行数が増えますし、どこを読めばよいかわからない。
写真金巻:メー カー側からすれば、万一訴えられたとき、記載していれば有利になるでしょう。しかし、最近のお客様は敏感です。本当にお客様の立場にたって説明する姿勢を 見せる企業と、リスクマネジメントの一環として説明を行っておこうという企業の違いをお客様はすぐに肌で感じます。むしろ、わかりやすさを「ホスピタリ ティ」と考え、差別化の要素にしてもいいような気がします。親切なコミュニケーションというと、必ずあれもこれもと情報が足されていきます。でも、本当の 親切は重要なことが一瞬にわかることであり、そのためには「足し算」で情報の洪水にするのでなく、思い切って情報を削ってみる、すなわち「引き算」が必要 だと思います。これは我々コンサルティング業界にも共通で、どうしても内容を高くしようとすると報告書のページ数が増えます。でも、忙しい経営者の方に内 容を本当に理解いただくためにはA4一枚でなければならないわけです。
よく「日本のホスピタリティを海外に」と言いますが、コミュニケーションの面でのホスピタリティも日本の名産にならないでしょうか。そのために、コミュニケーションは相対的なもの、引き算であるという考え方が浸透してほしいですね。

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