「第三者」による客観的な評価

25:武田一孝

UCDAトーク25:武田一孝 誰もが見やすい色を求めて

プロフィール/武田一孝(たけだ・かずたか)

1975年(昭和50年)東洋インキ製造株式会社入社 グラビアインキ販売、オフセットインキ販売に従事。2002年マーケティング部設立 と同時にグラフィックアーツ世界4大展示会出展責任者として運営に従事。 2009年より、全日本印刷工業組合連合会 メディアユニバーサルデザイン事業推進室特別委員、金沢大学 地域創造学類 非常勤講師としても活動中。
(参考)東洋インキ「カラーユニバーサルデザイン」

●数色の顔料から無限の色が生まれる

写真福田:まずは初歩的なところから、印刷インキのタイプには、どういうものがあるのか教えていただけますか?
武田:インキには、オフセット、グラビア、凸版、それからスクリーンの4つがあります。これに最近、インクジェット用インキが加わりました。
福田:我々の身近にあるインキというと印刷物ですが、塗装用の塗料はインキメーカーとは関係ないのでしょうか。
武田:インキの原材料である顔料から一貫して製造するのが日本のインキメーカーの特徴ですが、これは世界でも珍し いことです。まずは顔料のメーカーがあって、インキメーカーはこの顔料メーカーから顔料を買うのが世界の一般的な流れなのですが、日本ではインキメーカー が顔料から製造しています。ですから、日本では、塗料メーカーさんもインキメーカーから顔料を買ってペイント化しています。
福田:インキメーカーは色を作り出すわけですが、色には基本的な色と、混合することによって生み出される色がありますね。混合する技術はデータ的に行われるものですか?
写真武田:顔 料としては基本の4、5色しか作っていませんが、そこから混ぜ合わせていくことで色のバリエーションは無限大になっていくわけです。そしてインキ用のベー スインキを作る、これもまた混ぜ合わせて販売します。色を混ぜ合わせるのを調色というのですが、たしかにこの部分でもデジタル化が進んでいます。測色機で 測定し、コンピュータのデータベースの中で合わせています。しかし、調色のためのカラーコンピュータのマッチングを10年以上使っていますけど、完成度は 80点から90点が精一杯です。最後は人の目、職人の目で見て合わせます。
福田:色を出すのは難しいですね。たとえば、グラビアでちょっと色を薄めたいという場合、私のような素人はホワイトで薄めようという風に思いますが、いろいろな薄め方があるようですね。
武田:濃度をつける場合には、黒じゃなくて青みなどでつけていくとか。実に微妙に合わせていきます。
福田:そこはデジタルでいう何%というやり方では、出来あがりとして十分ではないわけですね。
武田:コンピュータ的にはできているのですが、紙にもいろいろありますから、同じ色を別の紙で出す場合は紙の地を計算しないといけない。それこそが職人の技なのです。

保護中: UCDAトーク

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