「第三者」による客観的な評価

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24:武田一孝-2

●ソフトでハンデがある方の見え方を独自ソフトでチェック

福田:カラーユニバーサルデザイン(カラーUD)について、簡単にご説明願えますか?
武田:色のユニバーサルデザイン、つまり色弱者の方をはじめ誰にでも見やすい色ということになります。東洋インキ が「UDing」というツールを開発したのは2004年です。これはデザインや色が実際に色弱者の方にどう見えるか確認できるソフトですが、当時はカラー UDという言葉もなく、「何それ?」という反応でした。いまでこそ、こうして皆様にカラーUDを注目していただくようになりましたが、実は、東洋インキも 社会的な要求に基づいて研究・開発したわけではないのです。20年くらい前から東洋インキと豊橋技術科学大学でカラーマネジメントなどの共同研究を続けて いるのですが、2002年に大学側から色覚障害の方にも理解しやすく見えやすい色の見え方のためのソフト開発を提案されました。長年の共同研究の中から生 まれたのが【UDing】だったのです。
福田:私が若い頃、新聞はもちろんテレビも映画も白黒でしたが、いまはすべてがカラー化されていますから、色覚にハンディキャップのある方の見え方への配慮があって然るべきですね。
写真武田:東 洋インキは、今でこそこのようにこうしてカラーUDに取り組んでいますが、正直、私自身、日本では男性の5%、女性の0.2%、数にして320万人も色弱 者の方がおられるということへの認識が不足していました。しかし、先程お話した長年の研究過程で、色で情報を伝える企業のひとつとして、きちんと伝わる色 の組み合わせが必要だと気付いたのです。
福田:カラーUDへの取組みについて、世界的な現状はいかがですか。
武田:欧米では色覚障害の発生率が高く、男性の8〜10%を占めるため、そういう方が身の回りにいるということが きちんと認識されています。たとえばヨーロッパの展示会では、自分のパートナーが色覚障害だという女性が何人も東洋インキのブースにいらして下さるなど反 応も結構ありました。また、情報に対するアクセシビリティの考え方が進んでいるので、空港など人が集まる場所の標識も非常に見やすくできています。
写真福田:これだけ医学が進歩している時代ですから、近視を眼鏡で矯正するように、色覚もカラーフィルターをかけた眼鏡で調整できないものでしょうか?
武田:よくそういう質問もされるのですが、色弱は遺伝的なもので治療はできません。色情報を感じる細胞(視細胞) には、赤色を感じるもの、緑色を感じるもの、青色を感じるものと3種類あります。いずれか1つでも機能しないと色の識別ができない。それが色弱ということ ですので、フィルターでの調整は難しいと言わざるをえません。
福田:遺伝的なものに起因するとなると、遺伝子治療ということで、IPS細胞の活用は考えられませんか?
武田:
専門の先生に伺ったところ、現在はまだそのような治療の検討段階であり、可能性については10年以上という長い見方が必要のようです。 図
東洋インキが開発した「UDingシミュレーター」では、画像が色弱者の方に実際にどのように見えるかタイプ別にシミュレーションし、改善案も提示してくれる。

保護中: UCDAトーク

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