「第三者」による客観的な評価

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07:尾畑 雅美

UCDAトーク07:尾畑 雅美 情報を伝える側に求められるもの、理解するために必要なこと

「わかりやすさ」の肝は「簡潔さ」

――本日は、NHK専務理事として衛星放送を実現したほか、世界一長いニュース番組「ニュースワイド」や、星野仙一さんをキャスターに起用した「サンデースポーツ」など、テレビ番組の制作でも手腕を発揮されてきた尾畑雅美さんにお話を伺いたいと思います。
写真福田:尾畑さんのような放送の専門の方たちは、伝わりやすい言葉というものを勉強なさったりするのでしょうか?
尾畑:研修を受けて身につけていきます。私は警察などを回ってニュースを書く地方回り記者出身でしたが、 その時にもいちばん大事なのが「わかりやすさ」でした。NHKでは「中学生がわかるニュースでないと出してはいけない」ということになっています。難しい 言葉で放送してはいけないのです。政治、経済、国際、科学など、あらゆる分野のニュースを出来るだけわかりやすい言葉で書き、レポートします。「選挙に勝 利する」は、「選挙に勝つ」、「慎重に捜査する」は単に「調べる」とします。警察は皆、慎重に捜査しているのだから、「慎重に」と書く必要はない、という わけです。
もう一つ、テレビなのでニュースも映像があったほうがいいし、さらにわかりやすくするためにテロップ(文字)で解説をつけます。これもパッとひと目で視聴者がわかるように、非常に短いセンテンスにします。とにかく簡潔にする、これが重要なのです。
福田:「サンデースポーツ」では、スポーツキャスターに星野さんのようなNHK外の方を起用しましたね。そうした場合にも喋り方などをレクチャーしているんですか?
写真尾畑:そ れはしません。生のままのほうが魅力的ですからね。「サンデースポーツ」は、今までのスポーツ番組とはまったく違うものをつくろうと、NHKのスポーツア ナウンサーではなく、野球解説者の星野仙一さんをメインキャスターに起用した番組です。彼が「これは面白い!」と思ったことが視聴者にも面白いし、そこが 何より重要だと考えていましたので、表現が足りない部分はNHKの女性キャスターやアナウンサーをつけて補いました。
福田:番組としての面白さと、わかりやすさを両立させた、ということですね。世界一長いニュース番組として始まった「ニュースワイド」も非常に面白い番組でした。
尾畑:実は、「ニュースワイド」以前のNHKのニュースでは、記者が書いたニュース原稿をアナウンサーが そのまま読んでいたんです。しかし、テレビでわかりやすいニュースを放送するには、映像中心にして言葉もテロップも簡潔にしなければダメだと制作したのが 「ニュースワイド」です。手間も人手もものすごく増えましたし、各所から相当突き上げを喰らいましたが、でも、NHK らしさを破壊することが「わかりやすさ」に繋がり、お茶の間の目線に適うことになったと思っています。

保護中: UCDAトーク

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