「第三者」による客観的な評価

06:青木 輝勝-3

●受け手の視点と作り手の視点

青木:今までは、たとえ小さな範囲で流すものでも映像にするにはプロに頼むしかありませんでした。でも DMD があれば、画像は確かに稚拙ですが自分で手軽に制作できます。店内の案内や、社内のお知らせ、建物の注意事項をはじめ、プレビジュアライゼーションのツー ルとしても使えます。選挙の公約などもアニメにすればより多くの人にスムーズに伝えられる可能性があるのではないでしょうか。
写真福田:教育の現場でもいろいろ役に立つように思います。
青木:はい。これまで普及目的で90回以上講習会(ムービー塾)を実施しましたが、小・中・高校や大学の映像関係など、教育に携わっている方々が数多く参加してくださっています。
福田:他にどのような活用が考えられますか。
青木:一つには英語など外国語教育です。教科書のストーリーを映像にしましょう、セリフは自分で吹き込む こと、という課題にすれば、内容理解だけでなく発音練習も面白くできます。国語でも作文のかわりにストーリーを映像化することができます。もちろん映像制 作という意味では美術の先生は興味を持ってくださっています。
福田:お話を伺っていると、作り手の立場に立てることにたいへん重要な意味があるように思います。作り手の気持ちになることによって見方も変わるし、新しい視点を持てる。視野が広がる機会にもなりますね。
写真青木:そ の通りです。物事は何でもそうですが、見るのと、やってみるのとでは大違い。ゴルフを知らない人がタイガー・ウッズのプレーを見ると、ゴルフはすごく簡単 そうに思えるはずです。でもゴルフ経験者には、背後にあるすごい技術や精神力を理解することができる。それは、経験によって評価能力が身についているから です。
映像も同じです。下手でもいいから一度でもつくってみると、映画もTV も違った視点で見ることができるようになるはずです。ストーリーだけでなく、カメラワークや構成をもっと楽しめるようになる。
福田:なるほど。そうなるとコミュニケーションのカルチャーが変わる可能性がありますね。
青木:ええ。もしも日本全国で評価能力が上がるとなると、それは情報のコンテンツ力全体もアップするという結果に繋がると思われます。

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