「第三者」による客観的な評価

03-1:その文章、何とかしたい!

文章DC9開発者座談会 第1回 (全3回)

その文章、何とかしたい!

日本語部会メンバーが「文章DC9ヒューリスティック評価法」開発の背景と意義について、ジャーナリスト、文章改善コンサルタント、編集者の視点から解説します。

永井順國 UCDA理事/元読売新聞論説委員/政策研究大学院大学客員教授
小田順子 UCDA賛助会員/文章改善コンサルタント/(株)ことのは本舗代表取締役
村上 健 UCDA運営会員/編集者
八杉淳一 UCDA理事/事務局長

コメント:座談会に寄せて
元原利文  UCDA理事/元最高裁判所判事/弁護士

03-1:その文章、何とかしたい!

プロアマ問わず広がる
日本語表現能力の低下

八杉 文章によるコミュニケーションを考えたとき、わが国では日本語能力が年々低下しているとの指摘がありますが、いかがですか。
写真小田  大手保険会社が発行するパンフレットの評価分析をした際、「ご契約される前に必ずお読みいただき、お申し込みくださいますよう、お願いいたします」と書か れたくだりがありました。文章が拙く、「ご契約される」という敬語の使い方も間違っています。その上間違いを指摘しても、修正してくれませんでした。
村上 社会全体を見渡せば、「骨が折れる仕事」を骨折する仕事と勘違いしたり、oftenの訳語「しばしば」の意味自体がわからない学生がいたりして、大学の講義が成立しないという笑い話のような状況すらありますよ(笑)。
八杉 文章表現をする側のリテラシーも、読む側の理解力も共に下がっているということですね。
永井 最近は全国紙の記事でさえ、文章や用語の誤りを頻繁に目にします。たとえば、「言い放つ」と「言い切る」を 混同していたり、地の文章に「お客様」なんて書いてあったり……。一体どうしてこうなったのかと、ある新聞社の幹部に聞いたところ、確かに記者の文章力は 低下しており、記事の大きさや紙面配置など、ニュースバリューの判断が本来の役割だったデスクまでが文章チェックをしなくてはならないのが現実だと話して いました。背景には長年にわたる活字離れがあるのでしょうね。正確には二極化傾向というべきでしょうが、加えて「デジタル社会」の到来も影響していると思 います。
写真村上  出版業界では、編集者がいわゆるお客様目線に立てないという問題もあります。著名な海外作家の本が、何度出しても部数が伸びなかったのに、他の出版社が同 じ著者の本を同じ翻訳家で出版したら10倍も売れたというケースがありました。売れ行きにはさまざまな要因があるにせよ、編集者の力量と姿勢の差も大きい ですね。パッケージングやタイトルの工夫、小見出しの表現など、読者の目線で編集されているんです。つまり最初の出版社は、読者の視点に立っていなかった ということでしょう。
永井 翻訳書というと、ドストエフスキーの小説の翻訳者を変えたら、はるかに読みやすくなったと話題になったこともありましたね。

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