「第三者」による客観的な評価

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03-2:わかりやすさはこう測る、わかりやすい文章はこう書く

文章DC9開発者座談会 第2回 (全3回)

わかりやすさはこう測る、わかりやすい文章はこう書く

「文章DC9ヒューリスティック評価法」開発の背景と意義について、日本語部会メンバー(ジャーナリスト、文章改善コンサルタント、編集者)がそれぞれの視点で解説します。

永井順國 UCDA理事/元読売新聞論説委員/政策研究大学院大学客員教授
小田順子 UCDA賛助会員/文章改善コンサルタント/(株)ことのは本舗代表取締役
村上 健 UCDA運営会員/編集者
八杉淳一 UCDA理事/事務局長

コメント:座談会に寄せて
元原利文  UCDA理事/元最高裁判所判事/弁護士

03-2:わかりやすさはこう測る、わかりやすい文章はこう書く

「わかりにくさ」を
客観的な指標で示したい

八杉 今回は「文章DC9ヒューリスティック評価法」(以下、「文章DC9」)について、開発プロセスを交えな がら話を進めていきましょう。開発にあたっては、「どこがどのように、どれくらいわからないのか」について客観的に示すことが必要だと考えました。たんに 「この文章が難しいから改善してください」と言うだけでは、指摘された方も対処に困りますからね。そこで、私たちがとった手法は、定量的・科学的な指標を 設けることによって改善を促すというものでした。
村上 世の中には、昔から文章のプロがノウハウを明かす文章術の本はたくさんありますし、新聞社や通信社が発行す る記者ハンドブックやビジネス文書の手引書もあります。しかしUCDAは、経験的につくられてきたこうした文章のルールに、科学的・定量的な分析を加えな がら、基準と改善策をわかりやすく示そうというわけですね。
写真永井 たしかにさまざまな分野で文章改善の目安となるものは数々あります。しかし「文章DC9」は、それら分散していたものを検証し、集約して基準をつくったところに意味があると思います。
八杉 まず指標づくりにあたっては、企業・団体から生活者へ向けて発信される情報の分類とわかりやすさの必要度合いを検討しながら、さまざまな文例の解析作業に着手しました。

小田 日本語能力試験などを基準に、文章の難易度を判断しました。はじめに、文章の種類ごと、目的ごと、読む人 への影響を考えて、3つに分類するんです。たとえば薬の副作用に関する記述などの生命にかかわる情報は、誰でも理解できないといけませんから、日本語能力 試験で言えば3級程度のわかりやすさが必要です。生命保険・損害保険の保障内容のような社会生活に必要な情報は、それよりちょっと難しくて、日本語能力試 験の2級程度。生命保険・損害保険の重要事項説明書のような複雑な情報であっても、日本語能力試験の1級程度が望ましい、といった分類の仕方です。「日本 語能力試験1級程度」というのは、『日本語能力試験出題基準』によれば、1文の長さの平均が40字から65字、漢字使用率は30%から45%までの範囲に おさまる文章です。ほかにもさまざまな要素がありますが、文の長さと漢字の多さは客観的に計測できて、わかりやすいですよね。このような基準は、日本語能 力試験以外にもあります。ワープロソフト「一太郎」の「読みやすさの基準」では、教科書、雑誌、新聞の社説、マニュアルの4種類の文章について、それぞ れ、文の長さと漢字使用率の基準があるんです。例えば社説なら、1文の長さの平均は41字以内、漢字使用率は52%とされています。社説には、社会生活に かかわることで、少し難しいことも、わかりやすく書かれていますよね。さきほどの「重要事項説明書」なども、専門的で難しい内容ではあっても、社説のよう に理解しやすく書かれているべきではないかと思うんです。

情報の分類と優先度

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