「第三者」による客観的な評価

MENU

03-2:わかりやすさはこう測る、わかりやすい文章はこう書く-3

03-2:わかりやすさはこう測る、わかりやすい文章はこう書く

数値による評価だけでなく
具体的な改善案を提示する

八杉 「文章DC9」を試験的に導入したのが、高松市の「納税通知書」ですが、「延滞金」について説明する文章に、10行にわたって「。」がない文がありました。
写真村上 これは相当読みづらいですね。提示した改善案(「延滞金」改善例1)を見ると、文を切って短くしたうえに、小見出しを設けたり、箇条書きにしたりすることで、かなり見やすく読みやすくなっています。
八杉 ただ評価を点数で表すだけでなく、このように改善案も提示すると、文章をどう直せばいいかが理解しやすくな ります。機械的に測定した客観的なデータを示すと、皆さん「なるほど」とおっしゃいますが、それだけではどう直していいのかがわからない。だから、間に人 間が入るんです。小田さんがかみ砕いた文例を作成して改善案を提示したところ、「たしかにわかりやすくなっているので、直さなくてはいけませんね」と、 おっしゃっていました。
村上 UCDAアワードの回を重ねるにつれて、わかりやすいコミュニケーションの必要性を感じる企業は確実に増え ていると思います。しかし、実際に自社の発行物の文章をわかりやすくする作業というのは、デザイン以上に難しいのではないでしょうか。とくに金融機関や行 政の文書は、法律にしばられていることもあって、難解な文章になりがちです。そんな背景もありますから、より具体的で詳細な指摘をUCDAに求める声が多 く届いていたことも事実ですね。高松市には、改善案1(「不服申立て」改善例1)(PDF:70KB)改善案2(「不服申立て」改善例2)(PDF:73KB)と、2通り提示しましたよね。改善案1は法令用語を残したもので、文字数も多めですが。
小田 改善案2は、法律上の問題があって受け入れられませんでした。たとえば、「不服申立ておよび処分の取消しの 訴え」という見出し。これを、「異議申し立ておよび処分の取り消しの訴え」としたかったんです。というのも、本文に不服申し立てのことが書かれていなく て、異議申し立てのことしか書いてない。不服申し立て方法のうちの1つが異議申し立てで、このケースは、異議申し立てだけが適用されるんです。ですから、 本文中には「不服申立て」という言葉が一度も出てこない。本文に書いていないことを見出しにするのはおかしいですよね。理解しづらくなると指摘したんです けど、法律で決められているから変えられないということでした。
村上 でも、改善案を作成した2つの文章は、もとは1文の長さの平均が68.6字あったのが、改善案1でも26.3字と劇的に改善されていますよね。逆に、漢字の使用率は48%から49%にほんの少しアップしていますが。
小田 先ほど話した「複雑な情報」にあたりますから、社説程度の難易度であれば、理解しやすいと思います。そうな ると、1文の長さの平均は41字で、漢字の使用率は52%が目安です。漢字使用率に関しては、改善前も改善案も、基準値の範囲におさまっています。改善案 は「単文化」したので、主語を繰り返すことになります。それで少し、漢字が増えたのでしょう。
八杉 第3回(最終回)では、別の事例を取り上げてさらに詳しく解説致します。

コメント:座談会に寄せて
元原利文(UCDA理事/元最高裁判所判事/弁護士)

写真1.「わかりやすさ」を客観的な指標で示したい。

文書改善に向けての、客観的な指標を作ることは、おそらく初めての試みではないでしょうか。それだけに、大変な作業を伴うものと推測します。一応の作業を終えた後も、利用状況を見ながら、さらに良く、完成度の高いものにする努力が求められると思います。
2.9つの評価項目から文章のわかりやすさを精査する
評価項目を9個のマトリックスに整理されたことは、評価手続の過程で、多いに利便性をもたらすと思います。他方、運用の過程の中で、見直しを要する部分が出て来ることも予想されますので、その際には、柔軟に対応することも必要でしょう。
3.具体的な改善策の提示
単なる評価に止まらず、さらに進んで、具体的な改善策を示すことは大変結構です。改善策の策定にあたっては、文書を受け取る側の特質(学歴、年齢、職業、経験等)を十分考慮することが求められます。

<文章DC9開発者座談会 第3回へ続く>

 

  • Hatena
  • Google+
  • facebook
  • twitter
ページトップ