「第三者」による客観的な評価

03-3:企業と生活者双方に役立つ「わかりやすさ」-2

03-3:企業と生活者双方に役立つ「わかりやすさ」

わかりにくい要因を
スピーディーに解消

写真村上 今回開発した「文章DC9」の特長の一つに、実務での使い勝手というか、導入のしやすさも挙げられると思います。
八杉 従来からある文章の良し悪しの尺度と違って、ビジネスや行政の現場で受け入れやすいように工夫がし てあります。「文章をわかりやすく書く訓練をしましょう」と言っても、実務レベルではなかなか取り組んでいただけません。「どこがわかりにくいのか」、 「なぜわかりにくいのか」という客観的な指摘と、「ではどうしたらわかりやすくなるのか」という具体的な改善案が求められます。そこで、具体的な視点から 9原則でスコアリングしたり、「ここをこういうふうに直す」と指摘したりすることで、導入しやすいかたちにしました。これがUCDAのアウトプットの特徴 です。もし文章DC9が、徹底的に文章の書き方の訓練をしないと改善できません、というものだったら、企業も行政も導入を見合わせてしまうでしょう。
村上 企業の社員や行政の職員が、わかりやすい文章を書けるようになりたいという意欲があっても、井上ひさしの『文章読本』を読んだりしていては何年かかるかわからない。そういったニーズにスピーディーに応えられるのが「文章DC9」なんですね。
永井 ただ、「文章DC9」の評価で直された文章を見ると、同じ語尾が続いているものもあるし、必ずしも文章として良いとは言えないんじゃないかという気がするけれど。
八杉 たとえば「DC9」によってデザインを評価した場合、ユーザビリティの観点から「せめて、ここは直 そう」というマイナスの部分を指摘するので、「もっと魅力的なデザインに」というようなプラスの保証はできないんです。必要条件であって十分条件ではな い。「文章DC9」の場合も、永井さんがおっしゃるような、もっと美しい文章、もっと素晴らしい文章にするというのと少し違いますね。
小田 一般的に、ビジネス書でも雑誌でもそうですけど、表現が単調だとリズムが悪いので、言いまわしを変 えたりしますよね。でも、この場合はあえて変えていないんです。同じことを指しているのに、違った言葉で表現すると、理解が難しくなります。保険の募集文 書などは、小説や雑誌のように、おもしろさや芸術性を追求するものではないので、わかりやすさを優先させています。

八杉 そうですね。優れた文章かどうかではなく、わかりやすさの一定レベルに到達しているかどうかの指標になるのが「文章DC9」であり、ユニバーサルコミュニケーションデザインの使命だと思います。

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