「第三者」による客観的な評価

03-3:企業と生活者双方に役立つ「わかりやすさ」-3

03-3:企業と生活者双方に役立つ「わかりやすさ」

「わかりやすさ」で
無駄を省き、利益を生む

村上 商品やサービスが均質化して大きな差異がなくなっていますが、そうで あればこそ、「いかに伝えるか」が重要になってくるのではないでしょうか。文章のわかりやすさは、そのコミュニケーションの大前提ですね。商品がどんどん ブラックボックス化し、とくに高齢者にとってモノを使いこなすのが大変な時代です。そんな中、同じような商品が販売されていてスペックが横並びなら、メー カーの信頼性やユーザーフレンドリーな姿勢も商品選択の大きな要素となる。こういう背景を考えれば、生活者の視点に立ったわかりやすいコミュニケーション は、企業にとって生活者の信頼感を得るかどうかの分水嶺といっても過言じゃないでしょう。
写真小田 高松市は過去に書類のわかりにくさでご苦労された経緯があったようで、わかりやすい文書を作成する機運が高まったのではないでしょうか。
村上 高齢者を含めて誰にでもわかりやすい書類が求められているのですね。
小田 文章がわかりにくいことによって、お客様の感情を害する危険性があります。また、不要な問い合わせやクレームが増え、仕事の効率や生産性が低下します。民間企業であれば、お客様が離れて業績が落ちる恐れもあるでしょう。行政も、大きな無駄が生じます。
写真永井  「文章DC9」を使えば、完璧な文章に直るわけではないけれども、マイナス面を減らして文章をわかりやすくすることが大きなメリットを生むということです よね。例えば、企業が発信する文書がわかりにくいことで生じる書類の再発行やコールセンターの応対のエネルギー、生活者からのクレーム対応などを減らすと いうことは、場合によっては年間数億円のコストダウンにもつながるのではないでしょうか。
八杉 そうなんです。企業や行政に、文章をわかりやすくする動きが広がることを願っています。

コメント:座談会に寄せて
元原利文(UCDA理事/元最高裁判所判事/弁護士)

  1. 写真生活者に「文章DC9」を適用して改善された重要事項説明書を読んでもらった結果、改善前と比較して時間が3〜4割短縮され、設問への正解率が4割から9割にアップしたことは、高く評価されます。「文章DC9」の策定に関係された方々のご努力に敬意を表します。
  2. 改善の提案に対し、法律の壁に直面された経過もあったようですが、法律実務の面からは、法律に示された表現は、ほとんどの場合、日常使用される平易な表現に置き換えることができ、置き換えたために法律に抵触することはないと思われます。
    もし言い換えにより問題が残るときは、むしろ法律の表現の方が、生硬であったり、多義的ではないのかとみる余地があります。
  3. ただ、現行の法律の中には、一読しても容易に理解ができない言い回しや、日常使用される言葉や表現とかけ離れたものが残っていることは否定で きません。立法に関係する方々にも、「文章DC9」に示された基準などを参考に、より平易な表現の法文作りに努められることを期待したいと思います。
  • Hatena
  • Google+
  • facebook
  • twitter
ページトップ