多様なお客様のニーズに応えるために
——御社は女性の契約者が多いそうですが、デザイン面で女性から特にご要望をいただくことはありますか?
細川 女性のお客様に受け入れられやすいデザインづくりを意識している面はあります。ラフの段階でフォー マットや色合いに関しては、当社の女性職員に見せて、「この中でどれがいいか」と意見を聞くことなどもしています。またお客様の中には、デザインではあり ませんが、「何年も契約しているので小冊子ではなく、変更点だけ知らせてくれればいい」「前年との変更点だけ見られれば便利」とおっしゃる方もいらっしゃ います。しかし、今年契約したお客様もいれば、20年になるお客様もいらっしゃる。このようなお客様ごとのニーズに、紙媒体で応えるのは難しいと考えてい ます。
——デジタル化が進んで、インターネットなどコミュニケーションの選択肢が広がっていますが。
——情報量の豊富さと分かりやすさの両立についてはどうお考えですか?
細川 私どもからすれば「これも説明したい」「あれも説明したい」というのが本音です。ただ、必要以上に「ひまわり通 信」を分厚くすると読む気になりませんし、薄くして情報量を多くすると読みにくい冊子になってしまいます。本当に提供したい情報を取捨選択するのも仕事の ひとつだと思っています。
——専門用語を使う場合なども苦労なさるのではないですか?
細川 たとえば、ご契約時に交付させていただいているご契約のしおり(保険約款)では、まず用語一覧を掲載するため、 ある程度の専門用語を使用することができますが、「ひまわり通信」は郵送用の小冊子であるため、用語一覧を載せる余裕はありません。そのため、できるだけ 分かりやすい表現を使います。ただし専門用語を使わないために逆にお客様に間違った解釈を与えてもいけませんので、バランスに配慮しています。
——次回のUCDAアワードに向けて、ご要望はありますか?
細川 要望はひとつ、辛口の評価をしてほしいということです。少しでも問題点があれば指摘していただき、改善につなげる。このサイクルがお客様にとって「理解しやすい」「利便性のある」総合通知に進化していくと思っています。
——今度はぜひアワードを取っていただきたいですね。お忙しいところをありがとうございました。
一般社団法人ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会 理事長 福田 泰弘