●法律の変遷は社会環境とともに
そのように事業者と消費者の力の差があり過ぎる状況がずっと続いてきましたが、裁判などで「事業者側がちょっとやりすぎだ」という反省がなされるように なってきています。しかしそうなってきたのはごく最近のことです。裁判所が平等になるようにと手を貸して、「民法にこう規定がある」と一般ルールを適用し たりしながら解釈するなど一生懸命努力してはいるのですが、解釈だけではどうしても限界があります。そうなるとやはり新しい法律をつくらなければいけない ということになります。
元原:確かに、社会がだんだん高度になって複雑化してくると、それに対応する新しい法律を考えていかなければなりませ ん。でも、常に社会の複雑化のほうが先行して、法律はそれによって起こるゆがみを是正するために後追いをする傾向があります。これまで新しくできた法律は 皆、既成事実でゆがみがあるものを是正したり、将来の問題を防止するというような形で制定されてきています。
福田:まあ、日本も欧米並みになってきたということですね。どんどんルールも増えてきたように思います。