●生活者一人ひとりの総体がユニバーサル
福田:ユニバーサルデザインやコミュニケーションデザインを、どうお考えですか?
福田:個人的に、ユニバーサルはパーソナルだと思うんです。要するにユニバーサルデザインは、こういう人にも、こういう人にも、すべてに適合しているということ。
杉山:1人ひとりの総体がユニバーサル。
福田:つまり、パーソナルを大事にするデザインだと。
杉山:そこを逸脱すると、つまらないノッペラボウの、表情のないものになりますよね。おっしゃるように、万人はたくさんの個性の集まりなんです。
杉山:難しいことをわかりやすい言葉で話せるのは、すばらしいですよね。豊富な知識があり、すごく考えて、咀嚼して、 整備するから、とてもわかりやすい言葉でみんなに親切に話すことができる。たいへんなプロセスがあるんです。でも、わかりやすくすることは、考えなくても すむようにすることだとはき違える人が少なくない。わかりやすく話すことは短絡的に話すことではないんですが、意外に混同しがちなんです。
福田:どうもありがとうございました。
プロフィール/杉山恒太郎(すぎやま・こうたろう)
1948 年東京生まれ。立教大学経済学部卒業後、電通入社。クリエーティブディレクション局にて、クリエーティブディレクターとして活躍。主な作品に小学館「ピッ カピカの一年生」、セブンイレブン「セブンイレブンいい気分」、サントリーローヤル「ランボー」シリーズなど。カンヌ国際広告映画祭審査委員を2年間、ま た、サイバー部門で1年間務め、イギリス「キャンペーン」誌でも特集される。現在は、電通常務執行役員、立教大学現代心理学部教授、ロンドン広告賞国際審 査員など、多方面で活躍中。