「第三者」による客観的な評価

19:岡部繁樹-3

●効率化も重要だが対面での対応はもっと重要

写真岡部:震 災を機に再認識したのは、コミュニケーションは多様化しているけれど、やはり対面は重要だということです。私どもが最近、よく使う言葉に「効率化と非効率 化」があります。ITの活用も含め、必要な部分は徹底して効率化していくが、一見非効率に見えるお客様との対面・対話こそが重要であると考えています。つ まり、一見非効率に見える対面・対話を行う時間を創出するために、可能な限りの効率化を図るということです。また、コミュニケーションの意識が変わりまし た。震災時は電話が全然通じなかったことが問題になり、FacebookやTwitterなどのSNSを活用してお客様とコンタクトをとる代理店もありま す。スマホやタブレットPCなどのツールやアプリを利用するなどいろいろチャレンジしています。ITを活用することによってお客様がより理解しやすい環境 が整いますので、今後急速に普及していくと考えています。
写真福田:最近ではネットなど販売チャネルも多様化してきていますから、もっと変わっていくでしょうね。現在の問題点や課題をお聞かせください。
岡部:まずは、補償内容をわかりやすくすることです。たとえば生命保険でしたら、支払金額はケガをされたらいく ら、亡くなられたらいくらというようにはっきりしています。一方で、損害保険は実損填補といって、実際に被った損害を補償するというものです。その損害額 の認定の仕組みが専門的なこともあり、お客様から「わかりにくい」との声をいただくことになります。また、契約関連の書類がわかりにくく量が多すぎるとよ く言われますので、もっとわかりやすくシンプルにすることが課題です。保険は、目に見えない、試すことができない、実際に事故などが起きてみないとわから ないなど、なかなか理解していただきにくいものです。「わかりにくさ」は、消費者団体の方との懇談会でもしばしば指摘されるところです。わかりやすい、見 やすいというのは消費者利益になり、ひいては業界の発展にもつながります。アメリカでは、「アコードフォーム」といって、多くの保険会社がそれぞれの判断 で標準的な申込書や帳票を使用しており、デファクト・スタンダードがあります。どこに何が書いてあるかが各社ほぼ同じなので、お客様も見やすいし記入しや すい、そして比較もしやすくなっています。日本でも見習いたいところです。
福田:私も工場スタッフの時、取引先ごとに指定の納品書があり、煩雑だった覚えがあります。申込書などの帳票や約款、説明書などが統一あるいは標準化できれば、直接のコストも安くなるし、間接的な事業のプロセスも相当単純化されてきますので、メリットがありますよね。
岡部:日本でアメリカのように事実上の標準化ができるかはわかりませんけれど、帳票の統一化、標準化は、コスト削減の 意味でも、お客様満足度向上の意味でも大きなテーマになりますね。あとは、同じような内容でも用語が違うとお客様は違うと解釈してしまうので、用語の統一 も必要です。

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