「第三者」による客観的な評価

19:岡部繁樹-4

●お客様に育てられ、感動を共有

福田:自動車保険などは各社とも主なサービスは横並びの印象です。差別化という点はどうなのでしょう。
写真岡部:おっ しゃるとおり、1996年から保険の自由化が始まりましたが、主だった補償内容を差別化しにくいということで、細かいところで競争した結果、複雑化してし まいました。2005年の不払い問題をきっかけに特約などが整理・再編され、わかりやすくなったものの、今度はどこもほとんど変わりなくなってしまった。 そうなると、代理店がどれだけ付加価値を提供できるか、例えば日常から様々なお役立ち情報を提供し続けるとか、事故が発生した場合は徹底的に面倒を見ると いうことでお客様の満足度が変わってくると思います。私どもの団体は、つねにお客様の視点に立って考え、行動することをモットーにしています。その観点か ら、お客様の代表である消費者団体との懇談会を開催し、私たちが当たり前としていることが消費者の感覚ではどうかを確認したり、消費者の声をいただいて、 保険会社に要望書として提出するなどしています。地域によっては、懇談会の席で、保険募集の現場を再現したロールプレイングを実施していますが、「実態が よくわかる」ととても好評です。
福田:やはり消費者中心に考えていくことが、コミュニケーションで最も重要なんでしょうね。UCDAでもお役に立てればと思います。
写真岡部:お 客様に保険をより身近に感じていただくには、わかりやすい、見やすいというのが基本です。UCDAさんの活動は、そうした動きを大きく進展させるものだと 思いますので、とても期待をしています。UCDAさんの提言が標準化につながれば、消費者利益になるとともに業界の発展にもつながります。
福田:実行委員としてご協力いただいているUCDAアワードについてはいかがでしょう。昨年は自動車保険の証券、今年は自動車保険のパンフレットとWebサイトを評価の対象にしました。
岡部:証券もパンフレットもWebサイトも、お客様との接点になるものですから、保険会社がUCDAアワードに対 してもっと敏感になってほしいと思います。保険会社が「うちの会社はこれでアワードを受賞した」とステータスを感じられるよう、理解を求める作業も重要で はないでしょうか。そのためにもUCDAさんの活動をどんどん周知していただきたいですね。
福田:そうですね。我々も周知に努めたいと思います。本日はありがとうございました。

プロフィール/岡部繁樹(おかべ・しげき)

社団法人 日本損害保険代理業協会(日本代協) 会長、株式会社サンクス保険サービス代表取締役。 岐阜県出身。愛知大学卒業。日本代協企画環境委員長、副会長を歴任し、2011年3月より現職。

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