海外旅行保険パンフレットおよび申込書が認証を取得

ジェイアイ傷害火災保険株式会社

営業企画部長 永井拓也 氏

課長 天川敦平 氏

担当課長 堀田貴規 氏

2014年2月7日

一期一会の契約だから大切にしたいサービス

—-まず、旅行保険についてお聞かせください。 永井拓也

永井 私たちはJTBさんを含めた旅行代理店さんの窓口で、年間100万人以上のご契約をいただいています。旅行保険は、多くの保険商品とは異なり、代理店さんの窓口でお客様に説明し契約が成立、そして代理店さんが保険証券(契約証)を発行します。通常の生命保険や損害保険では、販売者の説明を受けて、申し込みを受けた後、保険会社の審査や記入内容などのチェックを経て、適正な保険契約として成立し、その後に保険会社から証券が送られてきます。一方、旅行保険は契約の一連のプロセスが代理店さんの店頭で完結するようになっています。ゆえにお客様や代理店さんにとって、パンフレットや申込書のわかりやすさが、より一層求められるものと思っています。

 

—-今回、海外旅行保険パンフレットおよび申込書がUCDA認証「伝わるデザイン」を取得されました。認証取得に至った経緯からお聞かせください。 kokyaku_25-4

永井 2014年4月より商品改定を行うことになりました。一律の保険料から、年齢別の料率(リスク細分)に切り替わります。契約内容が複雑になるので、パンフレットでの説明も複雑になります。お客様に店頭で理解していただくために、「わかりやすく」しなくてはいけない。この機会にパンフレットや申込書を抜本的に見直そうということになりました。そこで、UCDAさんにお願いしました。UCDAさんのことは以前より存じ上げていたので、第三者の視点で「わかりやすく」改善していただこうということになったのです。改善の目標としてUCDA認証「伝わるデザイン」の取得を決め、認証レベルにそって改善していただきました。最後の認証委員会で、生活者や消費者団体の方に「わかりやすい」と認めていただき、お客様視点での改善ができた、と思いました。

 

—-改善において、特に注意された点はありますか

永井 旅行保険は、代理店さんの窓口で説明してその場で契約していただくもの、私たちもそのような先入観を持っていたのですが、調べてみると、実際は自宅に持ち帰って後日、記入した申込書を代理店さんに提出するというケースも多いことがわかりました。窓口では旅行の説明でお客様も代理店の方も忙しく、その場で契約となるケースが大多数ではない。今までは代理店さんの補助があることが前提だったのですが、通販に近い状態で契約されているようだと。それならということで、お客様がパンフレットを見ただけでもわかる、そして自力で申込書に記入できるものを目指しました。銀行などでは、窓口で説明するパンフレットとメールオーダーなどの自宅で見ていただくパンフレットは違います。物販も含めて、いろいろなものを参考にさせてもらいました。

 

—-パンフレットを見ればわかる、自力で記入できるということは、窓口ではもっとスムーズで間違いもなくできますね。

永井 通販的なツールに窓口での人的な対応、より一層お客様視点に立ったものが必要だと改めて感じました。 例えば、対面での活用もイメージしつつ、通販的な考えで、一連のお手続の流れやパンフレット・申込書をどのように見ればいいのか、ガイダンスを示すなどの工夫をしています。 また、今回、年齢別の料率になって複雑になっても、ページ数を増やすことはできません。かといって詰め込んでは読んでいただけなくなります。UCDAのデータでは、情報量が19%を超えると、読みたくないというお客様が50%以上となっています。では減らそうと言うことになりましたが、社内で大変な問題になりました。情報量が多すぎて読まれないのでは何にもならない。UCDAのデータをもとに社内を説得して、かなり削減しました。同時に、情報の整理もしました。お客様の視線の流れに合わせて重要な情報のレイアウトも変えています。

 

—-情報量の削減は大変な作業だったようですね。

kokyaku_25-5天川 情報量を減らすことについて、社内では喧々囂々議論をしました。その結果、情報量が多すぎてお客様に読まれないものをのせて自己満足するよりは、量を減らしてわかりやすくデザインしたほうがリスクは少ない、という点で一致しました。その意味では、いろいろな部署との連携も深まりました。

堀田 みんなの知恵を集めると、こんなにも情報量を減らすことができる。とても勉強になりました。これからも、専門分野に特化した企業として、他社さんに負けないような商品やサービスを開発するだけではなく、伝わるためのツールを提供していきたいです。

 

—-UCDAについてひとことお願いします。

永井 「見やすさ、わかりやすさ、伝わりやすさ」の基準というものが、今までになかったので、それを開発したことが新しいと思います。問題点が定量的に見えるので、社内での合意形成がしやすいし、一緒に改善していけるのがいいですね。また、科学的に進められているので、お客様の視点がよくわかります。われわれは保険のプロなので、どうしても文章が難しくなってしまいます。多くのお客さまの理解レベルを超えた表現を使ったり、ガード文言などを詰め込んでしまう傾向がありましたが、UCDAは、私たちにお客様視点というものを思い出させてくれました。 仮に、UCDAに頼まなくて、私たちで作っても同じようなものができたかもしれない。でもそれが「わかりやすい」ものかどうか誰も判断できない。しかし、第三者による多面的な検証を経ているので、私たちも自信を持って世の中に出していけます。UCDAの認証制度はそんな効果もあると思います。

 

—-成果が楽しみですね。どうもありがとうございました。