「第三者」による客観的な評価

14:小川甲子-3

●宝塚は誰が観てもわかる舞台

福田:大スターとしての経験を、いまは支配人として活かしておられるんですね。
写真小川:いえ、そんな大したことはしておりません。東京宝塚劇場ができて今年でちょうど10年になります。最初は心配でしたが、おかげさまで10年間の客席稼働率は100%と、たくさんのお客様にお越しいただいています。
福田:私どもは金融関係のお知らせや契約書などを、誰が見てもわかりやすいように改善していこうという取り組みをしています。宝塚では観客にわかりやすくする工夫はなさっていますか?
小川:宝塚の芝居は、誰にでもわかりやすいことがいちばんの特徴なのです。3歳から90歳以上の方までご観劇いただくほどお客様の層が広いので、難しいこ とは何もなく、誰に観ていただいてもお楽しみいただけるように作っています。長い台詞もそんなにありませんし、台詞のかわりに歌で表現するときはわかりや すく盛り上がるメロディにして、ストレートに観客の心に訴えます。もともと、宝塚の創設者である小林一三先生の教えが、「安い料金で大勢の方に見ていただ くためには、誰もがわかる芝居でないといけない」というものでしたから。「夢と希望と感動」と「清く正しく美しく」をモットーにしております。(笑)。
写真福田:「清く、正しく、美しく」というのは、僕らも使いますよ。こらからは「清く、正しく、伝わりやすく」をスローガンにしましょうか。(笑)宝塚では、誰 もにわかりやすく……というのがDNAのように流れているんですね。まさにユニバーサルコミュニケーションですね。それがきちっと伝統として受け継がれて いるから、ファンも増えているんですね。
小川:ありがたいことに、ご家族で何代も続くファンの方が沢山いらっしゃいます。「母がファンでした」「おばあちゃんから聞いてます」などと、おっしゃっていただけるとうれしいですね。

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