複雑な「告知書」を、「わかりやすく」改善して認証取得

PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)

(写真)代表取締役社長 兼 CEO  谷川 武士 氏

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金融法人事務開発チーム チームリーダー 下間 博仁 氏

マネージャー  井野 恵一 氏

山本 紘子 氏

  ――今回「告知書」でUCDA認証「伝わるデザイン」を取得されましたが、認証取得に至った経緯をお聞きかせください。

井野 恵一

井野 恵一

井野:PGF生命は、金融機関代理店等を中心とする代理店チャネル専業会社として事業展開している生命保険会社です。ビジネスパートナーである代理店では多種多様の商品を取扱っていらっしゃいますが、保険のような複雑な商品を提供する弊社としては、お客さまや代理店にご負担をかけないようにパンフレットや帳票の「わかりやすさ」を高める努力をしてきました。今回認証を取得した生命保険の「告知書」は、お客さまが保険商品を購入する際に必要なとても重要な帳票です。しかし、他の帳票に比べてご確認いただく要素が多く複雑で、お客さまにも代理店にもご負担を強いていました。そのため、まず「告知書」をお客さまに「わかりやすく」、代理店が「説明しやすく」改善しようということが今回、認証取得に至った一番の動機でした。

山本:これまでも、記入不備が起こりやすい箇所の原因分析をしたり、お客さまと接している代理店をサポートしている営業担当者の意見を聞いたりして、自分たちで改善を積み重ねてきました。しかし、不備率が多い部分を改善すると違うところで問題が出たり、改善したつもりでも不備が減らなかったりと、自分たちだけでの改善には限界を感じはじめていました。そこで、より客観的な評価が必要だと考えて、UCDAに依頼することにしました。UCDAについては、当社でも昨年「ご契約内容のお知らせ」でUCDA認証「見やすいデザイン」を取得したこともあり、社内でも認知が広がっていました。今回の「告知書」は事務帳票のなかでも生命保険特有の要素が多い複雑な帳票なので、更に上位の「伝わるデザイン」の認証取得をゴールにして、改善をしようということになりました。

 

――「伝わるデザイン」の認証取得において、ご苦労されたことをお聞かせください。

山本 紘子

山本 紘子

山本:今回は特に、情報量についてかなり検討を行いました。どこをどのように減らせばいいのか、社内で徹底的に議論しました。行間は、行長は、どうするか。また生命保険業界の各種ガイドラインを含むコンプライアンスの問題もあります。情報量ひとつからいろいろな課題が見えてきました。伝えるべきことは伝えなければいけない。でも、情報量が多すぎて、結果としてお客さまに見てもらえなければ意味がない、ということで思い切った情報量の削減にも取り組みました。

井野:いままでは、改善前との比較で、感覚的に「わかりやすく」なったからいいだろう、としていました。しかしUCDA認証では、DC9(『DC9ヒューリスティック評価法』UCDAが開発した独自のユーザーインターフェース評価方法)によって適切な情報量の基準が示されるので、目標に向かって情報量を削減して、「わかりやすい告知書」にすることができました。困難な作業でしたが、いままでにない新たな取り組みで大変勉強になりました。

 

――今回の改善、認証取得についての、社内外での反応はいかがですか。

下間:7月からの運用開始前に、今回の改善を、弊社の役員会議で報告し、改善前のものと改善後のものを見比べてもらいました。そこでも、「かなり、わかりやすくなった」と言う意見が多く出ました。 今回認証を取得した「告知書」は、7月から使用されているのですが、事前に代理店にサンプルをお見せして、UCDA認証を取得する予定だと伝えました。代理店もUCDAのことはよく知っていて、一部の代理店の方には「そのような取組みをしているなら、見やすくなりますね」と期待のお言葉をいただきました。認証取得後は自信をもって代理店に案内することができました。

 

――PGF生命様の「わかりやすさ」への取組みについてお聞かせください。

井野:弊社では、「お客さまの声」の分析を通じて顧客満足度の向上、商品・サービスの改善等につなげるための重要事項の判断、審議、意思決定を行う『お客様の声委員会』という組織を設置しています。そこで、代理店やコールセンター等に集まるお客さまからのご意見やクレームなどを全社的に分析して、帳票改善も含め業務に反映しています。加えて、今回は改善予定の帳票を世の中に出す前に第三者機関や生活者の方にチェック・確認をしていただくという初めての取り組みを経験し、私どもにとっても大きな自信と安心につながりました。認証取得のためにいただいたUCDAからの評価の中には、いままで社内で気づかなかったことも数多くあり、大変参考になりました。

 

――高齢者の方への配慮も課題になっていると思いますが。

下間 博仁

下間 博仁

下間:私どもの代理店である提携金融機関のお客さまには、高齢者の方も多くいらっしゃいます。そのため、高齢者の方に「わかりやすい」ものであれば、すべての方にも「わかりやすい」という方針で改善を進めています。 今回の認証取得で、文字の大きさだけではなく、色使いや行間、行長などについても具体的なアドバイスをいただき、高齢者の方にも「わかりやすい」告知書ができたと思っています。しかしこれがゴールではないので、これからも、お客さま目線での改善を続けていきたいと思います。

 

――UCDAについてお話ください。

井野:本当に「伝わるデザイン」にこだわり、UCDAの認証マークを付けた告知書をお客さまにご提供することができました。代理店にも好評をいただいております。UCDAには、これからも「わかりやすさ」の基準を策定して、改善のポイントや目標を示してほしいと思います。また、第三者機関として、弊社に対しても、業界全体に対しても「わかりやすさ」への改善をサポートしていただきたいと思います。

――本日はどうもありがとうございました。