「フェスティナレンテ」とは、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの座右の銘で「悠々として急げ」を意味します。
このコーナーでは、日々情報コミュニケーションの課題に悠々と取り組みつつ、UCDを導入し、スピーディーに結果を出している企業・行政・団体を取材します。「わかりやすさ」への取り組み(プロジェクトUCD)における苦労や、現在の活動、今後のビジョンについてお話しいただきます。

エネルギー企業初、UCDA認証「伝わるデザイン」を取得

インタビュー
九州電力株式会社
地域共生本部広報グループ (インタビュー当時)
副長 濵上 剛樹 氏
地域共生本部エネルギー広報グループ(インタビュー当時)
副長 神山 淳子 氏

九州電力さまはエネルギー業界で初めて、UCDを推進しています。きっかけをお伺いします。

濵上:2017年に社長(現会長)の瓜生が、ある企業のパンフレットにUCDAの認証マークがついていることに気付き、認証制度について調べるよう指示を出したことがきっかけです。早速、副部長の今崎(現部長)がUCDAを訪問しました。

そこで「わかりやすさ」の基準や認証制度、資格認定制度について教えていただき、社内での取り組みを始めることになりました。まずは多くの社員にUCDを知ってもらうため、本社の大会議室でUCDAセミナーを開きました。80人を予定していたところ、関連会社も含めて150人の参加があり、多くの参加者に「わかりやすい情報発信」について関心を持ってもらうことができました。このセミナーの参加者から、UCDA認定2級講座を受講し、資格を取得する者が出ました。

2級講座で得た知識は、業務にどのように反映されていますか。

濵上:今までパンフレットやリーフレットを制作する時は、成果物を主観的に評価していました。「わかりやすさ」の基準を学ぶことで、お客さま視点で考えることの大切さを改めて意識することができ、大変参考になっている、活かせているという声を聞いています。

神山:最近は「わかりやすさ」のポイントを教えて欲しい、という相談をよく受けるようになり、パンフレット等への助言や、UCDA認証取得のサポートを行っています。

「教えて、エネルギー?日本のエネルギー事情」のリーフレットについて、お聞かせください。

神山:エネルギー広報グループでは、お客さまにエネルギーへの理解を深めていただくため、様々な活動を展開しています。その一環として、社員の知識向上を目的として、お客さまが不安に思っている事柄をテーマに「エネルギー講演会」を実施しています。
この講演会の内容を多くの方にお伝えしたいという思いから、リーフレットを制作し発行することになりました。
このリーフレットについては、UCDA認証「伝わるデザイン」を取得しました。

このリーフレットで、UCDA認証「伝わるデザイン」を取得されています。苦労された点や工夫された点は、どのようなことでしたか。

神山:リーフレットの内容を「正しく、わかりやすくお伝えする」ことを目的に、「わかりやすさ」の基準であるUCDA認証「伝わるデザイン」の取得にチャレンジしました。

最初にDC9ヒューリスティック評価で、「わかりにくい」箇所の指摘を受けました。わかりやすくお伝えするための改善方針について関係者で協議を重ね、改善を進めたことで「伝わるデザイン」認証を取得することができました。当時は、「わかりやすさ」の基準が不明確ななか取り組みましたので、改善方針の策定に時間を要しました。
重要な情報をお伝えするリーフレットは、デザインの手法というより、情報の整理が大きな課題です。具体的には、情報の優先順位を付け、図表の工夫、色彩設計の見直し等の改善を行いました。

完成したリーフレットの反響はいかがですか。

神山:このリーフレットを使っている支社や営業所の社員から「非常にわかりやすい」との評価をもらっています。
お客さまとのコミュニケーション活動でも積極的に活用し、お客さまからの評判もいいようです。

先日、私共(UCDA)が資源エネルギー庁(関係省庁)でセミナーを行った際、このリーフレットをご覧になった職員の方々からも、「非常にわかりやすい」と同様のご意見をお聞きしました。

神山:「わかりやすい」と仰っていただけて、大変嬉しいです。

情報誌「みらいと」も「見やすいデザイン」を取得されています。読者からの反応はいかがですか。

神山:当社では、季刊で「みらいと」という情報誌を発行しています。情報誌は、お客さまとのコミュニケーションツールとして重要なものです。
一方的に情報を詰め込むのではなく、お客さまに見ていただくために、情報量は適切か、多くの方に配慮した色彩設計ができているか、文字の大きさや行間は適切か等の検討を繰り返して、UCDA認証「見やすいデザイン」を取得しました。とても見やすい情報誌だと、評価をいただいています。


UCDAアワード2017で「実行委員会特別表彰」を受賞していますが、社内の反応はいかがでしたか。

濵上:当社の取組みが評価されて、表彰していただいたことはとてもうれしく思います。UCDAアワード2017「実行委員会特別表彰」をいただいた後、社内外からお褒めの言葉をいただきました。また、他の部署から改善の問い合わせを受けるようになりました。

UCDAの活動について、ご意見をお聞かせください。

濵上:近い将来、九州にもUCDAの拠点を設けていただければ助かります。認証申請や認定講座の依頼がもっとスムーズになります。
また、九州でも多くの企業にも、UCDの考え方や取り組みが広がっていくことに期待します。当社もさらに取組みを進めていきたいと考えていますので、これからもご支援をお願いします。

インタビュー後、UCDA認定1級を取得した、濵上剛樹氏、神山淳子氏に続き、新たに認定1級を取得した石川哲也氏にもお話しを伺いました。

当社は、発信する情報の「わかりやすさ」向上のため、UCDA等社外専門家の知見を積極的に活用しながらパンフレットや資料の改善・作成に努めています。

私自身も2018年の11月に認定2級講座を受講し、UCDの考えや効果に感銘を受け、より実践的な内容である認定1級も取得したいと思い、チャレンジしました。認定1級の講座・課題には、専門的で高度な内容も含まれていたため苦労しましたが、講師や一緒に受講した会社の先輩等からもサポートをしていただき、認定1級を取得することができました。私が取得したことにより、九州電力の現在の資格取得者は、認定2級が40名、1級が4名になりました。

2019年1月には、九電グループの広報担当者が集まる会議の中で、グループ会社約40社に対し、UCDAの知見を活かした社外向け資料作成のポイントを共有した結果、多くのグループ会社から「大変参考になった。自分たちも活用したい。」というコメントをいただきました。
今後も九電グループ一体となった情報発信の「わかりやすさ」向上に向け取り組んでいきます。

地域共生本部 広報総括グループ
副長 中牟田 良治 氏(写真左)
  石川 哲也 氏(写真右)

皆さまありがとうございました。