「第三者」による客観的な評価

特別対談:大西秀人-3

●認証で得たノウハウを改善に活かしたい

写真福田:双方向のコミュニケーションというお話がありましたが、このたび、UCDA認証を取得された納税通知書は、まさに市民の皆さんの「わかりにくい」という声を受けて改善されたのですね。
大西:今回の取り組みは、平成22年度から段階的に行っているシステム最適化計画の一環でもあります。これは、全 庁的な情報システムの最適化を図り、業務の簡素・効率化や情報システム経費の削減・抑制を目指すというものです。そこで、税関係の帳票印刷業務を外注する ことになったのを機に、従来の帳票を見直しました。その際、職員がデザインを考えるには限界があるため、帳票印刷業務の委託先業者にデザイン見直しを依頼 し、さらに、そのデザインは第三者が見てもわかりやすいレベルに達しているという、いわば「お墨付き」を受けたほうがいいのでは、となったときに、 UCDAさんの存在を知り、認証取得に至ったわけです。これまで帳票類は、記載してあれば伝えたことになっていたんですが、それでは通用しなくなりまし た。わかりやすいかたちで示して、市民の皆さんにご理解いただいて、それに対する意見には耳を傾けて反映させていかなくてはいけない。帳票類の見やすさ・ わかりやすさ・伝わりやすさについては、やっとできたという感じで、もっと前から取り組むべきものだったと思うんです。
福田:UCDA認証取得は、自治体としては初めてということで、市長の会見があった日は、我々にもマスコミから問い合わせが入りました。
大西:どこの自治体でもとっくに取り組んでいると思っていたので、初めてというのは驚きました。ただ、ユニバーサルデザインについては、何年か前から各自治体で取り組んでいますよね。
福田:コミュニケーションの部分での我々の取り組みが、まだ伝わっていないのかもしれません。
大西:行政の側も、どちらかというと、ハード的なまちづくりの観点からのユニバーサルデザインが中心でしたからね。
福田:納税通知書は、各自治体で違うものでしょうか。
大西:固定資産税のように条例で決めれば多少は税率を上乗せできたり、というものはありますけど、基本的には記載内容はほとんど一緒です。総務省の規則で標準的な様式が決められていますが、様式そのものは各自治体で決めていますので、ちょっとした違いはあります。
福田:納税通知書以外の帳票類の改善は、いかがですか。
写真大西:今 回は、150種類ほどある税調票のうち、代表的な市・県民税納税通知書と固定資産税納税通知書について取り組みましたが、他の書類に関しても、今回のノウ ハウを活かして改善していきたいと思います。また、次の取り組みとしては、住民票の請求書類などが枚数も非常に多く、しかも市民の皆様が直接、市民課でや り取りするものですので、ぜひとも早くこのノウハウを取り入れたいですね。それから、紙の帳票の見やすさも大事ですけど、それ以上に窓口での言葉のやり取 りですね。職員のコミュニケーション能力をいかに高めていくかが、最も重要だと感じています。
福田:最後に、UCDAの活動に対して、ご意見いただけますでしょうか。
大西:まさに世の中で必要とされているユニバーサルデザインのなかでも、コミュニケーションの分野に特化した活動をし ておられるので、ぜひプロとしてノウハウをきちんと培っていただきたい。我々が初めて認証を取得しましたが、他の自治体でも必要とされると思いますので、 活動を広げていただきたいと思います。我々も、先ほど申し上げましたように、納税通知書以外でも、今回の認証取得で得たノウハウや考え方を活用し、しっか りと市民にわかりやすく、市民のためになる行政を目指したいと考えております。今後とも、ご助力いただければと思っております。

福田:これからもコミュニケーションを「わかりやすく」していくための活動を推し進めていきます。本日はありがとうございました。

>【参考】高松市報道発表資料

 

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