「第三者」による客観的な評価

22:丹野美絵子-4

●「わかりやすさ」と「正確さ」を両立

写真丹野:高 松市役所の納税通知書がUCDA認証「伝わるデザイン」を取得したというのは、とても画期的なことだと思います。官庁や自治体の法律にかかわる難しい書類 もわかりやすくすることができるのですね。高松市役所の取り組みも素晴らしいと思います。世間一般には、中身とデザインでは中身のほうが大事だという印象 があるかもしれませんが、中身をみる人間から言わせると、先ほども申し上げたように、デザインの力は非常に強いものです。行間やフォントを変えるだけでが らっと変わってわかりやすくなるというようなデザインの力を、認証制度によって世の中に普及させていくのは有意義なことだと思います。「わかりやすさ」の 認証制度は重要だと、多くの皆さんが思っていただけるようになるといいですよね。
福田:消費者の皆さんにとって、安心・安全のひとつの目安になれるように頑張っていきたいと思います。
丹野:わかりやすさと正確さが矛盾するものではない、ということを伝える第一歩になると思います。わかりやすくし ようとすると、「正確じゃなくなる」と、必ず言われるのですが。今回の納税通知書の認証取得をどのように受け取ったか、高松市民の声を聞いてみたいです ね。それで、「良くなった」という声が多いのであれば、全国の自治体で導入も考えられるかもしれません。
福田:認証を進めていきますと、損保協会の話ではないですが、「自治体ごとに文書が違うのはなぜだ、一緒でいいじゃないか」となってくるわけです。コストダウンにもつながることですから、そういったものの統合もぜひ推進していきたいですね。
丹野:回り回って消費者利益になることですね。企業や自治体も、外部評価を受けることに対して消極的になるのではなく、むしろ評価を受けて、一つの意見だと受け止めるのは如何でしょうか。結果としてわかりやすい方向に行けば、消費者のためになるのだと思っています。
福田:UCDAアワードだけでなく、認証制度のほうでも、ぜひ全相協さんにはお力になっていただきたいと考えています。本日はありがとうございました。

プロフィール/丹野美絵子(たんの・みえこ)

北海道大学法学部卒。1990年から2005年まで東京都消費生活総合センターで消費生活相談員として勤務。その後、公益社団法人全国消費生活相談 員協会理事長に就任。消費者トラブル未然防止、被害救済のために消費者に向けての情報提供を行うかたわら、消費者視点から広範囲な分野の業界団体、企業等 への講演等を行っている。金融審議会専門委員、(独)国民生活センター紛争解決委員会委員、日本損害保険協会「お客様の声・有識者諮問会議」委員など。

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