独立行政法人 住宅金融支援機構

理事 安齋 俊彦 氏

 

—今回、「特約料振替えのご案内」ハガキがUCDA認証「伝わるデザイン」を取得されました。認証取得に至った経緯からお聞かせください。

安齋 住宅金融支援機構では、CS活動について重点的に取り組んでおり、特に事務管理部門、CS推進部門を中心に、お客さま満足度の向上に力を入れています。具体的には、事務管理委員会やCS委員会などの社内委員会で課題への対応を検討しているほか、全国カイゼン大会や事務品質向上プロジェクトなどのワーキングチームを設けて活動しています。その活動の中で、CS推進部門からUCDAの取り組みについて紹介があり、「わかりやすさ」の基準としてUCDA認証の取得を目指すことになりました。まず最初に取り組んだのが、毎年一回お客さまへお送りしている「特約料振替えのご案内」です。機構団信特約制度の「特約料振替えのご案内」ハガキは、毎年180万人のお客さまにお送りしている機構の中で最も送付数が多い印刷物で、お客さまコールセンターの3~4割の入電率を占める代表的なものです。第三者機関のUCDAに客観的な評価をいただくことで、現在の機構の印刷物のわかりやすさのレベルを知り、改善すべき点がわかるよい機会だと思い認証取得を目指しました。

—どのような点に留意されて改善されましたか。難しかった点などお聞かせください。

安齋 今回の認証取得について、三つの課題がありました。まず、「特約料振替えのご案内」はハガキサイズで限られたスペースしかないのですが、団信特約料(保険料相当額)や口座振替日などお知らせしなくてはいけない重要なことがいくつもあり、情報量をどの程度絞り込めるかという点。二つ目は、あらかじめ印刷されたハガキに後から機械で印字する技術的な面でのスペースの制約がある中で見直しを行う点。三つ目は、機構内の他部署からも追加記載事項の要望がある中で、情報量の優先順位付けという点です。

―改善した結果、お客様や社内でどのような反応がありましたか。

安齋 今年4月からの送付ということで、効果についてはこれからだと思いますが、コールセンターへの入電状況を見ると、問合せ件数は減少傾向にあります。これが「わかりやすく」改善したことの影響であれば、うれしく思います。また、コールセンターでお客さま対応をしているコミュニケーターからの話として、「わかりやすく」整理されていて、文字も見やすくなり、ハガキに印刷してある記載部分を示しながらの説明がとてもしやすくなって、対応時間も短くなっている」となかなかよい反応が出ています。

―最後にUCDAの活動についてご意見をお聞かせください。


安齋
 今回のUCDA認証取得によって、自分たちだけではわからないことをいろいろと知ることができました。UCDA認証は、単なる印刷物へのテクニック的な面だけを認める制度ではなく、お客さま視点の重要性を理解して「わかりやすく、そして伝わる」ことを目指す制度だと思いました。その価値をお客さまに理解していただけば、認証取得の価値が何倍にもなると思います。また、すぐにできることとして、UCDAフォント「みんなの文字」を使用することや今回の評価過程で気づいた「わかりやすく」改善することのノウハウを組織的に展開しようと考えているところです。そのため、CS推進部門の担当者がUCDA認定講座を受講するようにいたしました。他にもパンフレットなどの印刷物がいろいろあります。今後も、第三者機関として客観的な評価と改善のアドバイスをいただければと思っています。

―本日はどうもありがとうございました。