インタビュー
(インタビュー当時・写真左から)

アフラック生命保険株式会社
ツールソリューション部
東 佳代氏
穐久 智子氏

  今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ビデオ通話でアフラックの東 佳代氏・穐久 智子氏に認証取得の経緯や、改善の取り組みについてお話を伺いました。

人生100年時代の「生きるためのリスク」に備える医療保険を提供

― この度はUCDA認証「伝わるデザイン」の取得、おめでとうございます。貴社が日本で事業を開始されてから約45年、その間日本の高齢化は進んできました。このような時代の変化とともに医療保険のニーズは高まってきたのではないかと思います。そこでまずは、貴社の医療保険に対する考えをお聞かせください。

穐久:弊社では、人生100年時代を迎えるなか、お客様が「生きるリスク」にしっかりと備えていただくため、公的医療保険制度や医療環境の変化、さらにはライフステージごとの
リスクに応じた最適な保障を提案し続ける「アフラック式」という考え方を展開しています。
東:ライフステージごとのリスクに応じた最適な保障を提案し続け、お客様一人ひとりに寄り添ったプランをご提供できることは、お客様一人ひとりが自分らしく生きるためのお手伝いができる、ということであり、「『生きる』を創る。」という弊社のブランドプロミスでもあります。

保障内容が充実することに伴い、よりわかりやすい資料が求められた

― 今回認証を取得された「医療保険 EVER Prime」が、まさに「アフラック式」のメインとなる商品だと思いますが、こちらのパンフレットの使用目的や使用場面について教えてください。

穐久:お客様に商品の内容をご説明するときに使用しています。その他にも郵送のみのご案内でも使用しています。
東:また、弊社のオフィシャルホームページに資料請求のご希望をいただいた際にお送りする場合などもあります。

― 今回は「伝わるデザイン」というハードルの高い認証を取得されましたが、なぜ認証取得を目指したのですか。

穐久:医療保険のパンフレットで認証取得を目指すことになったのは、保障内容が充実する一方で、お客様に対してお伝えする情報が増えてきたので、よりわかりやすい資料が必要だと考えたことがきっかけです。また、認証を取得することで客観的な評価を得られ、販売するアソシエイツ(募集代理店)やお客様にも信頼いただけるという点も、認証取得を目指したきっかけのひとつです。

「医療保険 EVER Prime」パンフレット:クリックで拡大

― 評価結果をもとに改善する際、大変だった点はありますか。

穐久:UCDAからの指摘数が想像以上に多かったことです。改めてお客様の視点にたって、わかりやすい記載や見せ方を考え、資料に反映し改善につなげるのは大変でした。
東:私たちも自分達なりに考えながら作っていたのですが、それが発信者目線だったことがよくわかりました。今までの考え方から一度離れて、お客様の目線で改善していくのに苦労しました。

― 反対に、ここが見やすく、わかりやすく、工夫できたという点はありますか。

穐久:まず色使いです。弊社の医療保険は特約が充実しているのですが、それぞれの特約にロゴがあって色が決まっていました。そのため、今までのパンフレットでは色を多用していましたが、それがかえって見にくいということがわかり、今回のパンフレットでは思い切って色の数を抑えました。

― 確かにピンクとグリーンに絞られていて、紙面に統一感がありますね。

東:レイアウトやタイポグラフィの観点で言うと、データのページでは、左から右へという視線を意識したレイアウトにしています。また、出典元の記載について、今までグラフの真下に記載していましたが全体的に文字が多くなってしまうため、ページ下部の1か所へまとめて記載することで、すっきり見せる工夫をしています。また、注釈の文章を短くすることを意識しました。

― 紙面から、レイアウトや行長の工夫が伝わってきます。

穐久:今回、「パンフレット」の他に「お申込みいただく前に(契約概要・注意喚起情報・その他重要事項)」もUCDA認証を取得したのですが、「クーリングオフの際、お客様がどういうアクションをしたらいいかわからない」という指摘がありました。ここは社内の関係部門と調整して改善しました。

― 他部署と連携した内容修正は大変ではないですか。

東:事務手続きや給付金支払など、部署固有の業務に基づく記載は、制作側の判断だけで勝手に修正することはできず、合意形成は時間を要しました。
穐久:弊社は「顧客本位の業務運営」を掲げており、これはお客様にとってわかりやすい資料の実現をめざす私たちの方向と一致しているので、大変というよりはむしろやり甲斐を感じながら取り組めたと思います。

「医療保険 EVER Prime」お申込みいただく前に(契約概要・注意喚起情報・その他重要事項):
クリックで拡大

UCDA認定2級取得によって他部署との連携がしやすくなった

― 様々な専門部署と連携しつつ、改善されたということですね。貴社では、UCDA認定2級を取得された方が現在約140名いらっしゃいます。制作にあたって、認定講座で学んだ知識は活用できましたか。

東:はい。穐久が制作担当で私が審査担当なのですが、制作、審査担当者の全員が2級をもっているので、スムーズに会話ができます。以前はわかりにくいといっても個人の感覚と捉えられ、意見が一致しないこともありましたが、今は共通の知識があるので、何がどのようにわかりにくいのか、お互いが理解できるようになりました。
穐久:例えば、先ほどの社内の関連部署など、相手が2級を取っていなくても、説得力のある説明ができるようになりました。

― UCDの知識・技術が活用されていること、大変うれしく思います。

今後はデジタルツールのわかりやすさにも取り組みたい

― 貴社のわかりやすさへの取り組みについてお聞かせください。

穐久:今回は医療保険で使われる「パンフレット」と「お申込みいただく前に(契約概要・注意喚起情報・その他重要事項)」で認証を取得しましたが、今後は、他の商品の資料でも認証取得を目指していきたいと思っています。
東:デジタルパンフレットのようなデジタルツールは、今後、ニューノーマルの時代に対応して、使用頻度が高くなることが予想されます。これについてもわかりやすさを追求していきたいと思っています。

UCDの考え方を学んで業務が効率化できた

― 最後になりますが、UCDAに対して、リクエストや、ご意見ご要望など、どんなことでも結構ですので、お願いします。

穐久:今回、「伝わるデザイン」の認証取得によって、第三者の視点からのご指摘をいただきました。貴重な機会をいただいたことを感謝しています。
東:私は、見やすい、わかりやすい、伝わる、というものは感覚的なものだと思っていたのですが、UCDの考え方を学ぶことで、見える化できることがわかりました。そしてわかりにくいものを取り除くことでわかりやすいものができることがわかり、実際にお客様に提供できたことをうれしく思っています。また、「わかりにくさ」の改善について、制作・審査のメンバーが納得したうえで業務に取り組んでいたので、業務の効率が上がったこともよかった点です。
穐久・東:あとはUCDの考え方がもっと世の中に広まるといいですね。そうすれば、もっとわかりやすいものが世の中にあふれるのではないかと思います。

― 様々な企業の方とお会いすると「もう少しUCDAが有名になって欲しい」とよく伺います。
私どもも、生活者の皆さんから「認証マークをつけているところはお客様サービスに努力している企業」と認識してもらえるように頑張ります。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

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